FOMC会合週に吹く追い風、米株・国債の強気派いずれにも味方

AI要約

米国の連邦公開市場委員会(FOMC)会合が30日から31日にかけて開催されており、過去のデータから株式市場や国債市場での強気傾向が多いことが示されている。

シティグループの分析によると、過去1年間の8回のFOMC会合のうち6回では株式と国債の両方が値上がりしており、今週もその傾向が続いている。

市場では長期債とS&P500種株価指数が上昇し、米国債は3か月連続で上昇する見通し。この背景には、パウエル議長が緩和サイクルの開始が近いことを示唆しているという期待がある。

FOMC会合週に吹く追い風、米株・国債の強気派いずれにも味方

(ブルームバーグ): 米連邦公開市場委員会(FOMC)会合が30-31日の日程で始まった。過去の会合に目を向けると、株式と国債の双方の強気派にとって有利な展開となることが多いようだ。

シティグループの分析によれば、過去1年間に8回開催されたFOMC会合のうち6回で、株式と国債がいずれも週間ベースで値上がりした。

こうした傾向は今週すでに実体化しているようだ。29日の取引では、長期債とS&P500種株価指数がいずれも上昇。米国債はこのまま行けば月間ベースで3カ月連続のプラスと、3年ぶりの長期上昇局面となる見通しだ。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が緩和サイクルの開始が近いと示唆するとの見方が背景にある。

シティのストラテジスト、ジャバズ・マタイ、アレハンドラ・バスケス両氏は「少なくとも31日の引けまで国債の上昇が続くと思われる」とリポートで指摘。「FOMC会合の週は米国の金融環境が緩む傾向にある。パウエル議長の発言が総じて予想よりハト派的なためだ」と述べた。

いずれにせよ、過去の実績は強気派にとって心強い兆候だ。過去8回のFOMC会合開催週に、米10年債利回りは平均で約12ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下。S&P500種は1.5%上昇している。シティとブルームバーグがデータをまとめた。

FOMC会合前後に株や国債が値上がりする現象は「プレFOMCドリフト」と呼ばれ、長らく投資家を困惑させてきた。パウエル議長が数十年ぶりの積極的な金融引き締めを開始した2022年初頭以降、このパターンはほぼそのまま続いている。

今回の会合で、政策金利は20年余りぶりの高水準に据え置かれる見通しで、緩和開始が近いことを示唆する手掛かりに注目が集まっている。金利スワップ市場では9月の25bpの利下げ、年内に合計およそ64bpの利下げが完全に織り込まれている。

シティのストラテジストは、株価は上昇後も上げを維持することが多いと指摘する一方、市場を大きく動かす引き金となりやすい8月2日の米雇用統計発表前に、米国債の強気ポジションを手じまうことが「賢明」だと述べた。