昔のパート仲間が、老後は毎月「夫婦で旅行」に行っているそうです。パート時代は同じような暮らしだったと思うのですが、なぜ老後の暮らしに“差”が出たのでしょうか…?

AI要約

老齢基礎年金の受給額を増やす方法について紹介

年金受給開始年齢の繰り下げ、iDeCo加入、保険料追納、任意加入などの方法がある

これらの方法を活用して受給額を増やし、満額に近づけることができる

昔のパート仲間が、老後は毎月「夫婦で旅行」に行っているそうです。パート時代は同じような暮らしだったと思うのですが、なぜ老後の暮らしに“差”が出たのでしょうか…?

夫の扶養の範囲内でパートなどで働く主婦の場合、20歳から60歳まで第3号被保険者だったとすると、受給できる年金は老齢基礎年金のみとなります。

老齢基礎年金の受給額は20歳から60歳までの納付月数により計算され、満額受け取れる場合の受給額は2024年度は81万6000円(月額6万8000円)です。そのため、かつて同じように扶養内でパートをしていた人が毎月旅行に行っていると聞くと、なぜそんなに差があるのか気になってしまうかもしれません。

老齢基礎年金は、厚生年金と異なり収入に応じて受給額が増えることはありません。しかし、第3号被保険者でも年金の受給額を増やす方法がいくつかあります。本記事では、どのような方法があるのか紹介します。

ここでは、年金の受給額が満額だった場合にさらに受給額を増やす方法と、未納期間がありそのままでは満額受給できない場合に年金額を満額に近づけるための方法をお伝えします。

■年金受給開始年齢を繰り下げる

老齢基礎年金は65歳から受給できますが、受給開始を遅らせることで受給額を増やすことができます。増額率は1ヶ月あたり0.7%、繰下げ期間は最大10年(75歳まで)で、75歳から受け取る場合は84.0%の増額が適用されます。この方法は、満額受給ができる場合、できない場合、どちらでも活用できます。

■iDeCoに加入する

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、公的年金である基礎年金や厚生年金とは違い、個人が自ら加入する私的年金です。第3号被保険者は月額2万3000円(年間27万6000円)まで拠出でき、運用益は非課税となります。掛金は65歳になるまで積み立てられます。さらに、受け取るときも控除の対象となるため、老後資金の準備に役立ちます。

ただし、運用にはリスクがあること、原則60歳までは引き出しができないことに注意が必要です。

■過去10年以内に未納期間がある場合は保険料を追納する

第3号被保険者は自身で国民年金の保険料を支払う必要はありませんが、第3号被保険者になる前に学生納付特例や年金保険料の免除・納付猶予を受けたことがある場合は、その期間の保険料を追納できる場合があります。

前記のように、国民年金は保険料の納付月数で計算されるため、追納することで受給額を満額に近づけることができます。ただし追納可能な期間は過去10年以内となるため、できるだけ早めに追納しましょう。

■追納期間が過ぎている場合は、60歳以降の任意加入を検討する

保険料の追納期間が過ぎてしまった場合には、任意加入の制度を検討してみましょう。任意加入は、20歳から60歳までの納付月数が480ヶ月(40年)に満たない人が、60歳以降に自主的に国民年金に加入して保険料を払うことができる制度です。

これにより年金の受給額を増やし、満額に近づけることができます。