年収が400万円→360万円に下がって「あり得ない」と落ち込む33歳の彼氏…年収はアップすることが当たり前なのでしょうか?

AI要約

年収が下がる理由や一般的な年収の推移について解説しています。

労働基準法や労働契約法に基づいて、給与が減額される場合や年収が下がる可能性について説明しています。

給与の減額は労働者と合意なく一方的に行われることはできず、合意がない変更は困難であることが示唆されています。

年収が400万円→360万円に下がって「あり得ない」と落ち込む33歳の彼氏…年収はアップすることが当たり前なのでしょうか?

年功序列で年収はアップしていくことが当たり前だと思っている人もいるでしょう。しかし年収が前年度よりも下がってしまうケースはあり得ます。例えば33歳で年収が400万円から360万円に下がってしまい、落ち込むこともあるかもしれません。

そこで今回は、一般的に年収はアップすることが当たり前なのかについて調べてみました。年収が下がる場合に考えられる理由もご紹介しますので、参考にしてみてください。

一般的に年収は年齢とともに上がっていくものなのかについて、見ていきましょう。厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」によると、男性の年齢階層別賃金は以下の通りです。

●~19歳:19万1100円(年換算:229万3200円)

●20~24歳:22万9300円(年換算:275万1600円)

●25~29歳:26万7800円(年換算:321万3600円)

●30~34歳:30万2100円(年換算:362万5200円)

●35~39歳:33万7900円(年換算:405万4800円)

●40~44歳:37万1800円(年換算:446万1600円)

●45~49歳:39万6900円(年換算:476万2800円)

●50~54歳:41万7700円(年換算:501万2400円)

●55~59歳:42万7400円(年換算:512万8800円)

●60~64歳:33万4200円(年換算:401万400円)

●65~69歳:29万3300円(年換算:351万9600円)

同調査から、年収は年齢とともに上がっていくことが一般的であると分かります。例えば30代前半から30代後半にかけては、平均賃金が3万5800円、年収に換算すると42万9600円上がっています。33歳の彼の年収が400万円から360万円に下がった場合は、何らかの理由があると考えられるでしょう。

給与が減額されるケースとして考えられる理由には、懲戒処分があります。労働者が何かしらの問題行動を起こした場合に、会社は懲戒処分を下して、給与の一部が差し引かれるケースはあり得ます。

ただし労働基準法第91条では、減給の制裁を定める場合に「一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない」と制限を設けています。

人事評価による降格により年収が下がる可能性も考えられます。例えば役職に就いている人が、何らかの理由で役職を離れる場合は、手当がなくなるなどして年収が下がるかもしれません。ただし人事評価による降格や給与の減額については、就業規則などに規定されていて、決定が下される際は本人との面談などによって事前に知らされている必要があるでしょう。

労働契約法第9条には「使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない」と記載されています。

このことから、会社が一方的に給与を減額することはできないことが分かります。給与の減額のような労働条件の不利益変更が、労働者の同意を得ずに行われるとは考えにくいでしょう。