中国の一帯一路構想の象徴だった「フォレストシティー」の末路

AI要約

マレーシア南部ジョホール州沖合の人工島で開発が進む都市は、その名も「フォレストシティー」。中国の不動産開発大手、碧桂園(カントリーガーデン)が進めたこのプロジェクトは、不況や政治的要因で計画が頓挫し、現在はゴーストタウンと化している。

中国の一帯一路構想の一環として始まったフォレストシティーは、初期には中国からの投機的な購入者が殺到したが、中国の資本規制やコロナ禍により売り上げが激減。マレーシア政府の外国人投資規制も影響し、計画は挫折に向かっている。

現在は居住者数が見込みよりも遥かに少なく、空き店舗や廃墟が広がる状況だ。未来都市計画の行方は不透明なままである。

中国の一帯一路構想の象徴だった「フォレストシティー」の末路

マレーシア南部ジョホール州沖合の人工島で開発が進む都市は、その名も「フォレストシティー」。総事業費1000億ドルをかけ、居住者数70万人を予定して2014年に華々しくスタートした。その現在の姿は? さながらゴーストタウンだ。

中国の一帯一路構想の一環で、中国の不動産開発大手、碧桂園(カントリーガーデン)が着手したこのプロジェクトは、中国不動産バブルの崩壊とコロナ禍、政治に翻弄されて計画倒れに。今では居住者たったの9000人、空き店舗と人影のない道路と荒れ果てた建物が広がる街と化し、碧桂園は倒産寸前まで追い込まれている。

15年に販売が開始された当初は、中国からの投機的な買い手が殺到した。バスが列をなして中国人の内見者を運んでいたという。だが17年に中国が突如、資本規制を導入して巨額資産の海外持ち出しを禁止。さらにコロナ禍で渡航が途絶え、中国の不動産市場低迷に伴いフォレストシティーの売れ行きも完全に停滞した。

加えて、マレーシア政府からも冷遇を受けた。中国の影響増大を懸念したかつてのマハティール政権が、この地での外国人の不動産購入を厳しく攻撃。投資熱はさらに冷え切った。

壮大な未来都市計画は、いまだ未来が見えないままだ。