屋上防水の”漏水事故発生率”は25年でたった4%…学会論文で判明「マンションン修繕工事」は無駄ばかり!工事しないと”廃墟化”は大ウソだった【マンション管理クライシス】

AI要約

マンション管理会社や設計コンサルなど、過剰な工事をしてしまっている場合、お金の無駄だと指摘。

大規模修繕工事の必要性を問い、必要以上に不安を煽る業者の実態を暴露。

修繕周期やデータに基づいた論拠の不足に注意し、賢いマンション管理を提案。

屋上防水の”漏水事故発生率”は25年でたった4%…学会論文で判明「マンションン修繕工事」は無駄ばかり!工事しないと”廃墟化”は大ウソだった【マンション管理クライシス】

マンション管理会社や設計コンサルなど、修繕事業者に言われるがまま、実は根拠なく過剰な工事をしてしまっているのなら、単なるお金の無駄だ。巨費をかけた修繕計画は本当に妥当なものなのか。修繕工事から利益を得る管理会社や設計コンサルタント会社にとって“不都合なデータ”とは──。(*記事内容は編集部が保証するものではありません。実際のマンションの状況に合わせて情報を参考にしてください)

これまで本連載では、大規模修繕工事などで、修繕事業者による、中間マージンやキックバック目当ての不必要な工事の存在を問題視してきた。そもそも、大規模修繕工事は、本来、どこまで必要なのか。

一級建築士でマンションコンサルタントの須藤桂一氏が言う。

「弊社の事務所が入る銀座のビルは築60年超ですが、オーナー曰く“大規模修繕”を一度もしていないとのことです。それでも建物にはなんら問題なく、今も満室経営です。マンションでは10数年に1回が推奨される屋上防水の更新工事ですら、竣工以来していないそうですが、漏水したこともないそうです。もちろん一般的なアスファルト防水です」

須藤氏が続ける。

「というのも、本来、アスファルト防水は何層もシートがあって、紫外線や雨水により表面層が傷んでいても、防水性能にはほぼ影響しません。もっとも、ビルの屋上には貯水槽や空調設備などがもとから設置されいるケースも多く、その場合は防水工事を完璧にやり直すことができません。

そもそも不動産は、建物に何か問題が起きた時、もしくは予兆が出てからの修繕で、実際には何の問題も出ないことがほとんどです。建材や設備はマンション所有者が思っている以上に長持ちするものです。弊社の顧問先のマンションでも、大規模修繕は状態を見た結果、多くが18年程度の工事周期に収まることが多いのですが、それで問題は起きていません。

しかし、修繕周期が長いと、管理会社や設計コンサルタント会社、施工会社は儲からないので、必要以上に不安を煽り立てる。ネットで検索しても早く修繕した方がいいという情報ばかりです。しかし、確たるデータに基づいた論拠はほぼ皆無で、そのほとんどは業者の営業用のHPです。

マンションを賢く管理したいなら、そういった業界の闇の側面も知っておくべきです」