マンション管理費・修繕積立金が首都圏で月額約3万円に!?新築・中古ともに上昇し続ける要因はどこにある?

AI要約

新築・中古マンションのランニング・コストに関する調査レポート(2023年)によると、首都圏と近畿圏では月額3万円近く、中部圏では2万円前後の管理費と修繕積立金がかかっている。

管理費は日常の管理に使われるため、高い首都圏の管理費は人件費の高騰やサービス内容の充実が背景にある。一方、修繕積立金は工事費の上昇が影響しており、年々高くなっている。

タワーマンションでは充実した共用施設や管理サービスが提供される反面、管理費や修繕積立金が一般のマンションよりも高くなる傾向がある。

マンション管理費・修繕積立金が首都圏で月額約3万円に!?新築・中古ともに上昇し続ける要因はどこにある?

東京カンテイが、新築・中古のマンションでそれぞれ、毎月発生するランニング・コスト(管理費や修繕積立金の合計額)を分析した。それによると、ランニング・コスト(70平方メートル換算)は、首都圏では新築・中古ともに、合わせておおむね月額3万円に達しているという。詳しく見ていこう。

【今週の住活トピック】

「新築・中古マンションのランニング・コストに関する調査レポート(2023年)」を発表/東京カンテイ

まず、新築マンションの管理費と修繕積立金の額を見ていこう。東京カンテイでは2014年~2023年の首都圏・中部圏・近畿圏の1戸当たりの管理費と修繕積立金を「専有面積70平方メートル換算」にして分析しているが、2023年の月額の平均額と対前年比は、次のようになる。

管理費と修繕積立金を合計したランニング・コストは、首都圏では3万円近く、近畿圏と中部圏では2万円前後になっている。中部圏はここ4年程横ばいに推移しているのだが、首都圏と近畿圏では、増加が著しい。東京カンテイでは、坪(3.3平方メートル)の平均値も合わせて出しているが、坪単価つまり新築マンションの価格が首都圏と近畿圏で上昇し続けていることが影響しているようだ。

さて、「管理費」は、日常の管理が円滑に進むためのもので、管理会社への委託費、共用部の清掃費や水道光熱費、共用設備の点検などに使われる。首都圏の管理費が他の圏域より高いのは、管理員などの人件費の高騰の影響もあるのだろう。さらに都心部では、新築マンションが高額化し、グレードを引き上げるにつれて管理サービスの内容も充実させているといったことの影響も考えられる。

一方、修繕積立金は、主に12年周期などで実施される大規模修繕工事を実施するために積み立てられるもの。こちらは工事費が年々上昇していることの影響がうかがえる。建築資材に加えて、こちらも人件費の高騰が著しい。

また、一般的にタワーマンション(20階以上)の方が通常のマンションよりも、管理費や修繕積立金が高いといわれている。タワーマンションには多様な共用施設が備えられ、24時間常勤管理、コンシェルジュサービスなど、充実した管理サービスが提供されることが多い。また、タワーマンションの施工方法が一般のマンションと違い特殊になっていることで、日常の管理費や大規模修繕工事のための修繕積立金が高くなるのだ。タワーマンションの供給が多い首都圏と近畿圏では、こうした影響で平均額が上がることも考えられる。