0.5ポイントもレーダー内、9月の米利下げに備え始めた米国債市場

AI要約

米国債市場で50ベーシスポイントの利下げ観測が広まっており、10月限の先物市場でもその影響が見られる。

トレーダーはより大幅な利下げに賭け始めており、緩和サイクルの拡大を期待している。

先物市場では既に60ベーシスポイントの利下げを織り込んでおり、市場の見通しは変化していない。

(ブルームバーグ): 米国債市場では9月利下げの観測が広がっているが、標準的な25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)ではなく、50bpの利下げを織り込み始めている。

この現象はフェデラルファンド(FF)金利先物市場で見られている。11日に発表された米消費者物価指数(CPI)が予想より弱かったことに端を発した10月限の買いは、12日も続いている。10月末に期限を迎える同限月はすでに、9月18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で25bpの利下げが決定することを100%の確率として織り込んでいる。

高い価格での買いは、標準を上回る幅での緩和サイクルが始まるとの見方に賭けるトレーダーが増えていることを意味する。

7月31日と9月18日の両FOMCで25bpの利下げが決まれば、このポジションにはプラスに作用する。しかし7月利下げの期待は数週間前に消えており、ウォール街の主要銀行でもそうした予想はない。

CMEグループがまとめた先物建玉データには、11日の買いに新たなリスクが生じていることを示唆する。出来高は26万枚弱で、10月限としての過去最大規模に迫った。12日午前の時点でもなお買い意欲は強く、ニューヨーク時間午前10時30分時点で15万枚弱。

前日のCPIに比べればPPIによる影響はわずかだったため、市場に織り込まれている米金融政策見通しはこの日、ほとんど変わっていない。

FOMCの決定によって決済価値が決まるスワップ取引は、9月の25bp利下げと、年内合計60bpの利下げを完全に織り込んでいる。つまり25bpの利下げ2回に加え、同幅での3回目があることを40%の確率としている。

原題:Traders Start to Bet on a Supersized Fed Rate Cut in September(抜粋)

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