NY外為市場=ドル上昇、FRB議長の利下げ慎重姿勢受け

AI要約

米ドルが上昇したニューヨーク外国為替市場では、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長がインフレ進展と利下げに関する見解を示し、市場は利下げのシグナルを期待していたが、具体的なアナウンスはなかった。

ドル指数は上昇し、米雇用統計を受けて市場はFRBが12月までに2回の利下げを行う可能性を高く見ている。また、米国の消費者物価指数(CPI)の公表が近づいており、注目されている。

ユーロは小幅に下落し、欧州中央銀行(ECB)のイタリア中銀総裁が段階的な利下げ継続を示唆。ドル/円は上昇し、ポンドは下落している。

NY外為市場=ドル上昇、FRB議長の利下げ慎重姿勢受け

[ニューヨーク 9日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが上昇。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長がインフレが進展し、労働市場の過熱が鎮静化しているとの見方を示した一方、利下げ時期が近づいているという明確なシグナルを示さなかったことを受けた。

FRBのパウエル議長は9日の議会証言で、「われわれは現在、両面的なリスクに直面していることを十分に認識している」とし、インフレ率は依然としてFRBの2%目標を「上回っている」ものの、インフレだけを焦点とすることはもはやできないと強調した。

フォレックスライブのチーフ通貨アナリスト、アダム・バトン氏は、市場はパウエル議長から利下げのシグナルが出るのを心待ちにしており、パウエル氏が「利下げに対する市場の期待に応えなかったことで、ドルが若干買われた」と述べた。

取引終盤、主要通貨に対するドル指数は0.15%高の105.13。前日8日には104.80と6月13日以来の安値まで沈んだ。

先週公表された米雇用統計を受けて、トレーダーらはFRBが12月までに2回の利下げを行うとの見方を強めている。CMEグループのフェドウオッチによると、9月に利下げが実施される確率を73%と織り込んでいる。前日8日は76%だった。

11日には米国の消費者物価指数(CPI)の公表が予定されており、市場からの注目を集めている。

ユーロは0.11%安の1.081ドル。8日には1.0845ドルと6月12日以来の高値を付けた。

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのパネッタ・イタリア中銀総裁は9日、ECBは現行のインフレ低下を損なうことなく、段階的な利下げを継続することができると述べた。

ドル/円は0.29%高の161.28円。先週は161.96円と38年ぶりの高値を更新した。

ポンドは0.15%安の1.2785ドルとなった。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは2.69%高の5万7776ドル。

ドル/円 NY午後4時 161.28/161.30

始値 161.01

高値 161.51

安値 160.90

ユーロ/ドル NY午後4時 1.0813/1.0817

始値 1.0820

高値 1.0828

安値 1.0806