神田真人財務官インタビュー「円安による国民生活の負担増に懸念」 投機「容認できない」

AI要約

財務省の神田真人財務官は円安局面に懸念を持ち、市場介入を行ったことを明らかにした。

神田氏は円相場の急激な変動を抑制し、国民生活や事業活動への影響を最小限に抑えたと述べた。

神田氏は退任前に予定されたG20財務相・中央銀行総裁会議で金融市場の動向やリスクについて議論されると示唆した。

神田真人財務官インタビュー「円安による国民生活の負担増に懸念」 投機「容認できない」

財務省の神田真人財務官は12日、産経新聞の単独インタビューに応じ、歴史的な円安局面について、「輸入物価上昇を通じて国民生活や事業活動の負担増といったマイナス面の影響にとりわけ懸念を持っている」との認識を示した。投機による急激な相場変動についても「容認することはできない」と明言し、市場を牽制した。

11日夜の為替介入観測に関しては言及を避けたが、政府・日銀は神田氏の在任期間中に当たる令和4年9~10月と今年4~5月に大規模な円買いドル売りの介入に踏み切ったことが明らかになっている。

これらの介入実績について、神田氏は「まさに投機的な動きを背景とした非常に大きな変動がみられた」と振り返り、「実際に過度な変動を抑制することができた」との見解を示した。

神田氏は今月末で退任する。その直前の24~26日にはリオデジャネイロで20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が予定されている。

神田氏は「金融市場、各国の財政・金融政策の動向が世界経済に与える影響についても議論が行われることになる」と語った。金利高、ドル高がもたらす資本流出や債務負担の増加といったリスクについても、債務問題対応を含め、議論が交わされるとの見通しを示した。(米沢文)