為替介入の有無「コメントする立場でない」と神田財務官-一時157円台

AI要約

財務官が円相場の急伸に対するコメントを避ける姿勢を示し、市場の動きを疑問視

輸入物価の上昇要因の多くが為替の影響であることに警鐘を鳴らし、円安の悪影響を指摘

米CPIが市場予想を下回ったことで円が急上昇し、介入観測が再燃する中で市場が警戒

為替介入の有無「コメントする立場でない」と神田財務官-一時157円台

(ブルームバーグ): 神田真人財務官は11日夜、円相場が対ドルで急伸したことを受け、為替介入の有無について「これまで通り何もコメントする立場ではない」と述べた。同省内で記者団に語った。

神田財務官は同日発表された米消費者物価指数(CPI)を見て「市場が合理的に判断したか、それ以外の力が働いたのではないか」といった見方が市場で出ていると指摘。足元の為替の動きは「ファンダメンタルズに沿った合理的な動きとは言えない」とし、「投機が支配しているマーケットになっていると言われている」と語った。

米CPIは広範囲に鈍化、総合指数が低下-利下げの論拠強まる

その上で、最近の輸入物価の上昇要因の大半を為替要因が占めていることを指摘し、「円安の国民に対する悪影響は決して無視できない」と述べた。

市場で為替介入観測が出ていることについては、「いつも平時においても、有事においても為替介入やったかどうかっていうのは基本的には申し上げない」と説明。月次ベースの介入の有無は、総額の形で月末に公表される。

ニューヨーク時間11日朝の外国為替市場で円の上昇率は2%を超え、一時1ドル=157円44銭を付けた。米CPIが市場予想を下回ったことに反応した。発表前は161円台半ばで推移していた。

日米の金利差を主因に円は3日に161円94銭と約38年ぶりの安値を更新していた。4-5月に日本の通貨当局が介入を実施した水準を超えて円安が進む中、市場では介入への警戒感が再び強まっていた。

関連記事

(c)2024 Bloomberg L.P.