マクロン仏大統領、NATO首脳会議で内政混乱の懸念払しょくに奔走

AI要約

フランスのマクロン大統領は、内政の混乱に懸念を持つ各国首脳に説得を行い、安定した政権構築の難しさを訴えた。

マクロン氏はNATO首脳会議で軍事同盟の支援には影響がないことを強調し、連立政権樹立を目指す必要がある状況を伝えた。

マクロン氏はウクライナ支援を強化する考えを示し、ロシアとの関係について懸念を示す反対派との対立が報じられている。

マクロン仏大統領、NATO首脳会議で内政混乱の懸念払しょくに奔走

(ブルームバーグ): フランスのマクロン大統領は今週、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が行われたワシントンで、フランスの内政の混乱に懸念を持つ各国首脳への説得に追われた。

7日の仏国民議会(下院)選の結果、安定した政権の発足が難しくなっており、関係者によると、マクロン氏は集まった首脳に軍事同盟の目標支援には影響がないことを伝えたもようだ。同氏は米シンクタンクの大西洋評議会で10日に行った演説でも、同様の主張を行った。

仏下院選では、反移民などを掲げる極右政党「国民連合(RN)」が事前予想に反し第3勢力にとどまった一方、マクロン氏が率いる中道連合は議席を大幅に減らした。単独過半数に近い勢力がない中で、連立政権の樹立を目指す必要がある。

9-11日のNATO首脳会議の合間、マクロン氏はドイツのショルツ首相と会談し、政党間の同盟を築く方法についてアドバイスを受けたという。匿名を条件に別の関係者が述べた。

フランスではこのような政権はまれだが、ショルツ氏は約3年間、ベルリンで不安定な連立のかじ取りをしている。ショルツ氏は11日、ワシントンで記者団に対し、「フランスには強い大統領がいる」と強調した。

関係者によると、マクロン氏は他の首脳との非公開会議の際、フランスの有権者はウクライナへの支援を脅かす可能性のある政党を明確に拒否したと述べた。マクロン氏は最も率直にウクライナ支持を打ち出している一人で、過去にはウクライナへの訓練要員派遣を提案し、ロシアへの刺激になると、一部の同盟国をいら立たせたこともある。

仏政界ではマクロン氏のウクライナ戦略に対する批判が根強く、マリーヌ・ルペン氏が実質的に率いるRNは、ロシアと歴史的なつながりがある。

マクロン氏は11日、必要な限りウクライナの支援を続けると記者団に伝え、「この考えに基づき、ワシントンでも重要な決定がなされ、長期的な支援を確固たるものとし、ウクライナのNATO加盟に向けた動きが進められている」と述べた。