NATO、7兆円のウクライナ安保支援で合意へ…加盟巡る共同声明「明確で力強いものとなる」

AI要約

米国家安全保障会議が、NATO首脳会議でウクライナへの安全保障支援策を含む合意を見込む。

NATOはウクライナに文民高官を派遣し、支援強化を図る方針。防空能力も強化策を打ち出す。

インド太平洋地域のパートナーも参加し、サイバーセキュリティーなどで協力の可能性を模索。

 【ワシントン=田島大志】米国家安全保障会議(NSC)のマイケル・カーペンター上級部長(欧州担当)は8日の記者会見で、9日にワシントンで開幕する北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で、加盟各国の分担による年間400億ユーロ(約6兆9600億円)の供与を含むウクライナに対する安全保障協力策で合意する見通しを明らかにした。

 カーペンター氏は、ウクライナに対するNATOの関与を強めるため、ウクライナの首都キーウにNATOの文民高官を駐在させることで一致する見通しも示した。ドイツに新たなNATOの司令部を設置し、ウクライナへの訓練や装備面で支援を強化するとした。米国主導による防空能力の強化策も発表する。

 共同声明では、ロシアによる侵略が続く中で米欧諸国に慎重論が根強いウクライナのNATO加盟を巡る表現が焦点となる。カーペンター氏は、「文言は明確で力強いものとなるだろう。改革努力を進め、加盟への道を歩むウクライナに対する加盟国の支援を示すものとなる」と語った。

 首脳会議には、インド太平洋のパートナーとして、岸田首相のほか韓国、オーストラリア、ニュージーランドの首脳も参加する。カーペンター氏は、サイバーセキュリティーなどを例に「インド太平洋地域の協力国とは多くの関心を共有している。協力を実現する幅広いチャンスがある」と述べた。