〔米株式〕NYダウ続伸、81ドル高=ナスダックはもみ合い(11日午前)

AI要約

ニューヨーク株式市場は、6月の米消費者物価指数の低下を好感し、上昇している。

インフレ鈍化の兆しが見られ、FRBの利下げ観測が広がる中、株価は一定の安心感を持って上昇している。

一方で、一部の企業の決算不振や制裁金の報道なども影響し、市場は慎重な展開となっている。

 【ニューヨーク時事】11日午前のニューヨーク株式相場は、6月の米消費者物価指数(CPI)が3カ月連続で低下したことを好感した買いが入り、続伸している。優良株で構成するダウ工業株30種平均は午前10時5分現在、前日終値比81.68ドル高の3万9803.04ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は0.30ポイント安の1万8647.15。

 米労働省が朝方発表した6月のCPIは前年同月比3.0%上昇し、伸び率は3カ月連続で低下。市場予想(3.1%上昇=ロイター通信調べ)を下回った。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数も前年同月比3.3%上昇と、市場予想の3.4%上昇を下回った。インフレ鈍化の兆しが示されたことを受け、米連邦準備制度理事会(FRB)が9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに踏み切るとの観測が拡大。市場には一定の安心感が広がる中、米長期金利の指標である10年物国債利回りの急低下を背景に買いが先行している。ただ、高値警戒感から利益確定の売りも出やすく、上値は重い。

 同時に発表された新規失業保険申請は、6日までの1週間で前週比1万7000件減の22万2000件となり、2週ぶりの改善。市場予想(23万6000件)も下回った。

 ダウ構成銘柄を見ると、ホーム・デポ、スリーエム、キャタピラーなどが上げている。一方、個別銘柄では、ペプシコが1%超安。4~6月期決算で売上高が市場予想を下回った。シティグループも軟調に推移。FRBと通貨監督庁(OCC)が10日、データ管理の不備について適切な対応策を講じなかったとして、シティに1億3600万ドル(約220億円)の制裁金を科したと明らかにしたと伝わった。