〔米株式〕NYダウ小動き、19ドル高=ナスダックは続伸(10日午前)

AI要約

ニューヨーク株式市場は、パウエルFRB議長の証言や米消費者物価指数発表を待ち、小動き。株価は維持されている。

パウエル氏は金融政策や経済に関する証言を継続し、市場の利下げ期待を一部後押し。米国経済が過熱していないとの見解を述べた。

市場は、CPIや企業決算に注目。金融大手の決算発表が12日に控えており、個別銘柄の動向も注視されている。

 【ニューヨーク時事】10日午前のニューヨーク株式相場は、この日のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の下院での証言や11日の米消費者物価指数(CPI)の発表待ちとなり、小動きとなっている。優良株で構成するダウ工業株30種平均は午前10時05分現在、前日終値比19.03ドル高の3万9311.00ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は106.11ポイント高の1万8535.40。

 パウエルFRB議長は10日、9日の上院銀行委員会での証言に続き、金融政策や経済に関して下院金融サービス委員会公聴会で証言を行う。パウエル氏は前日の議会証言で、「米国経済はもはや過熱した状態ではない」と述べ、市場の9月利下げ期待を幾分後押しした。ただ、発言内容は全般的に予想されていたほどハト派的ではないと受け止められた。この日午後は、ボウマンFRB理事、シカゴ連銀のグールズビー総裁の発言機会も予定されている。

 市場の関心は、11、12日にそれぞれ公表される米国のCPI、卸売物価指数(PPI)に加え、米主要企業の2024年4~6月期決算発表に向いている。先陣を切る形でJPモルガン・チェース、シティグループなど金融大手が12日に決算を発表する。

 個別銘柄では、ハネウェル・インターナショナル、アップルはともに1%超高と堅調に推移し、ダウ平均全般をけん引。一方、セールスフォース、ビザ、インテルなどが1%超安となり、下押している。ファウンドリー(半導体受託製造)世界最大手TSMC(台湾積体電路製造)は3%超上伸。人工知能(AI)技術関連の半導体需要の急増を背景に4~6月期の売上高が市場予想を上回ったことが要因。これを受けて、マイクロン・テクノロジー、エヌビディア、アームなどが米半導体関連の一角にも買いが広がっている。