父が相続対策だと、手渡しで「毎月20万円」くれるようになりました。「現金だから贈与税は大丈夫」と言っていましたが、本当ですか?

AI要約

高齢の親から相続対策についての話があり、生前贈与を行うことで相続税を節税したいと考えるケースを紹介。

相続税は相続財産にかかる税金で累進課税となっており、相続財産が大きいほど高額になる。

生前贈与には贈与税がかかるが、1年間で110万円までの贈与には贈与税がかからず、将来廃止の可能性もあるため早めの対応が求められる。

父が相続対策だと、手渡しで「毎月20万円」くれるようになりました。「現金だから贈与税は大丈夫」と言っていましたが、本当ですか?

ある程度の年齢になると、高齢の親から「相続対策」についての話を切り出されることもあるでしょう。相続税の負担は大きいので、生前に子どもに対して贈与を行うことで、相続財産を減らして相続税を節税したいという考えがあるのです。

本記事では、相続税対策として現金を毎月受け取っているケースを紹介します。親は現金だから贈与税は関係ないと思っているようですが……真相を解説します。

相続税は相続財産に対してかかる税金です。また、相続財産(各種控除後。以下同じ)に乗じられる相続税率は相続財産が大きいほど高くなる累進課税となっています。つまり、相続財産が大きいほど相続税は高額になるのです。

例えば相続人が子1人の場合、5000万円の相続財産にかかる相続税は160万円ですが、相続財産が3億円であれば相続税は約9000万円にもなります。だからこそ、財産を持っている人は生前贈与を行うのですね。

ただし、生前贈与には贈与税がかかる点に注意しなければなりません。相続税対策として生前贈与を行ったとしても、相続税の代わりに贈与税がかかってしまうのです。

ただし、1月から12月までの1年間で110万円までの贈与に対しては贈与税がかかりません。単純に年110万円ずつ贈与を続ければ、10年で1100万円を無税で子どもに移転できます。

しかしこの非課税制度に対して国が、近い将来に縮小または廃止する可能性もゼロではないようです。利用を検討している人は、できるだけ早く始めたほうがよいかもしれません。

贈与税は、個人から贈与により「財産」を取得したときにかかる税金です。財産とは、お金で見積もることができる財産であり、具体的には預貯金、有価証券、不動産、動産などがあります。現金も当然ながら財産に含まれます。

そして本記事で取り上げたケースでは月20万円の贈与が行われており、年間にすると240万円です。よって、非課税となる110万円を超えた部分に対しては贈与税がかかります。税額は、(240万円-110万円)×10%=13万円となります。