「40代の女性社員が怖くて出勤できない」…20代の男性社員を襲った「ヤバい恋心の恐怖」

AI要約

男性社員が職場でストーカー行為を受ける事態が発生し、産業医との面談を経て休暇を取ることになる。

男性は40代の女性社員に親切な態度を受けたが、彼女は一方的に男性との関係を勘違いし、暴走してストーカーとなった。

当初男性は驚きや恐怖を感じつつも、上司や産業医のサポートを受けて対処していく様子が描かれる。

「40代の女性社員が怖くて出勤できない」…20代の男性社員を襲った「ヤバい恋心の恐怖」

 根性論を押しつける、相手を見下す、責任をなすりつける、足を引っ張る、人によって態度を変える、自己保身しか頭にない……どの職場にも必ずいるかれらはいったい何を考えているのか。発売たちまち5刷が決まった話題書『職場を腐らせる人たち』では、ベストセラー著者が豊富な臨床例から明かす。

 職場恋愛も職場結婚も昔からあり、昭和の頃には社内の若い男女の見合いを積極的に御膳立てする世話好きな上司さえいたものだ。だから、職場で交際相手や結婚相手を探すことが一概に悪いとはいいきれない。だが、なかには、自分の一方的な恋心を募らせたあげく、相手の意思を確認せずに、「相手も自分に好意を抱いているはず」と思い込んで暴走し、ストーカーまがいの行為を繰り返す人もいる。

 ある製造業の会社で、20代の男性社員が「40代の女性社員が怖くて出勤できない」と上司に訴えたため、産業医が事情を聞くことになった。この男性は大学卒業後数年間別の会社に勤務した後、最近この会社に転職してきたのだが、経理事務担当の40代の女性社員に自宅まで押しかけられたという。

 この女性は独身で、高校卒業後入社してから経理事務一筋だったので、経理には社内の誰よりも精通しているらしい。そのため「経理でわからないことがあれば彼女に聞け」と上層部も言っているほどで、新人教育を担当することもあるそうだ。転職したばかりの男性に研修期間中経理事務に関することを教えたのも、この女性だった。

 男性は、この女性が懇切丁寧に教えてくれたうえ、しばしば手作りのお菓子を持ってきてくれたので、断るのも悪いと思い、遠慮せず食べたという。研修が終わって営業部に配属された後も、この女性が営業部までわざわざお菓子を持ってきてくれたことが何度もあるらしい。また、経費請求の書類を経理部まで持っていくと、この女性が必ず出てきて満面の笑みで対応し、ときにはやはりお菓子を渡してくれることもあったようだ。だから、男性としては、とても親切な先輩だと思い感謝していた。

 ところが、ある日曜日の夕方、自宅で交際相手の女性とくつろいでいたところ、インターホンが鳴ったので、玄関に出てみると、40代の女性がすごい剣幕で立っていた。そして、「あんたは私と結婚するはずだったのに、裏切ったわね。若い女と手をつないでその辺を歩いたりして、ひどい。私があんたのために作ったお菓子の材料代を返せ」と怒鳴ったという。そのうえ、一緒にいた20代の交際相手にも「あんたが私の許嫁をたぶらかしたのね。この尻軽女め」と暴言を吐いたらしい。

 男性のほうは、40代の女性と結婚するつもりなど毛頭なく、許嫁という認識も微塵もなかった。もちろん、交際していたという認識もまったくなかった。だから、ただ呆然とするばかりでパニック状態になり、玄関のドアをバタンと閉めてしまった。

 その後も40代の女性は、ドアをドンドン叩いていたが、しばらくすると静かになった。しかし、待ち伏せされていたらどうしようという恐怖のほうが強く、男性も交際相手も外には出られず、なかなか寝つけなかった。翌朝、出勤しようとしたものの、会社で40代の女性と顔を合わせることを考えると怖くてたまらず、激しい動悸を感じた。そのため、上司に電話して事情を説明し、「しばらく休みたい」と伝えたところ、産業医と面談するよう指示された。

 つづく「ある日突然、職場の『親切なおばさん』がストーカーに…20代男性が味わった『恐ろしすぎる体験』」では、「私が作ったお菓子を本当においしそうに食べてくれた」「私と目が合うことが多かった」などストーカーと化した女性の頭の中をのぞいてみる。