意外と多い、「君の将来を思って」と言う上司の「アブない実態」

AI要約

根性論を押しつける、相手を見下す、責任をなすりつける、足を引っ張る、人によって態度を変える、自己保身しか頭にない……どの職場にも必ずいるかれらはいったい何を考えているのか。『職場を腐らせる人たち』では、ベストセラー著者が豊富な臨床例から明かす。

いい大人になって、こじらせた承認欲求を抱えている人がいる。そういう人が職場にいると、同僚としても後輩としても、大変な目にあることがある。

『職場を腐らせる人たち』の中では、「過大なノルマを部下に押しつける上司」の事例でも承認欲求の歪みが悪い形であらわれている。根底には、強い承認欲求が潜んでいるように見える。

意外と多い、「君の将来を思って」と言う上司の「アブない実態」

 根性論を押しつける、相手を見下す、責任をなすりつける、足を引っ張る、人によって態度を変える、自己保身しか頭にない……どの職場にも必ずいるかれらはいったい何を考えているのか。発売たちまち5刷が決まった話題書『職場を腐らせる人たち』では、ベストセラー著者が豊富な臨床例から明かす。

 〈周囲を見下し、自分の優位性を誇示する人の胸中には、こじらせた承認欲求が潜んでいることが少なくない。認められたいのに、認めてもらえないという不満がくすぶっており、ことあるごとに「自分はこんなにすごいんだぞ」とアピールせずにはいられない。もっとも、いくらアピールしても、実績をあげられなければ、周囲から認めてもらえない。むしろ、総スカンの状態になりやすい。だから、余計に不満が募って、さらにアピールする。こうして悪循環に陥っていくのである。〉(『職場を腐らせる人たち』より)

 いい大人になって、こじらせた承認欲求を抱えている人がいる。

 そういう人が職場にいると、同僚としても後輩としても、大変な目にあることがある。

 なにより、どのように接しても、何かしらの被害を被る可能性があるのが怖い。

 『職場を腐らせる人たち』の中では、「過大なノルマを部下に押しつける上司」の事例でもそうした承認欲求の歪みが悪い形であらわれている。

 〈過大なノルマを押しつけられた部下が「自爆」営業に手を染めざるを得なくなり、それに限界がきて退職することが続いたら、退職に伴う保険の解約件数も相当な数にのぼるに違いない。上司にとってはそれも想定内なのだろうかという疑問が湧くが、ある程度は想定しているのではないか。たとえ、後で解約される事態になっても、とにかく自分の部署が保険の契約をたくさん取り、稼いでいるように見せかけることができれば、それでよかったのだと思う。

 その根底には、上司の強い承認欲求が潜んでいるように見える。何としても実績をあげて、上層部から認められ、昇進したいという執念のようなものさえ感じる。そのためには、それこそどんなことでもするという姿勢であり、部下に過大なノルマを押しつけ、それを達成できるようにあの手この手で誘導する。

 巧妙なのは、決して暴言を吐くわけではなく、「君の将来を思って」「君のため」といった言葉を頻用し、あくまでも部下のためを思っているかのようなふりをすることだ。〉(『職場を腐らせる人たち』より)

 つづく「どの会社にもいる「他人を見下し、自己保身に走る」職場を腐らせる人たちの正体」では、「最も多い悩みは職場の人間関係に関するもので、だいたい職場を腐らせる人がらみ」「職場を腐らせる人が一人でもいると、腐ったミカンと同様に職場全体に腐敗が広がっていく」という著者が問題をシャープに語る。