猶予は72時間… パタゴニア、リモートで働く90人のスタッフに「引っ越し」か「退職」の選択を要求(海外)

AI要約

パタゴニアがカスタマーサービス部門のスタッフに対し、新しいハブモデルに移行するか、退職するかの選択を迫った。

スタッフは州内の特定の都市圏に引っ越すか、退職パッケージを受け取るかを選ばなければならなかった。

この変化について従業員間で不満が広がり、チーム文化の重要性が強調されている。

猶予は72時間… パタゴニア、リモートで働く90人のスタッフに「引っ越し」か「退職」の選択を要求(海外)

アメリカでは、パタゴニアがカスタマーサービス部門で働く90人のスタッフに対し、7カ所ある「ハブ」のうちのいずれかに移るか、退職するよう伝えた。

対象のスタッフは、通知から3日以内に自分の判断を会社に伝えなければならなかった。

チーム文化を改善し、ビジネスニーズをサポートしようとしていると、同社の広報担当者はBusiness Insiderにコメントした。 

サステナブルなアウトドアブランドのパタゴニアは、アメリカの従業員90人に選択肢を与えた ── 金曜日までに引っ越すか会社を辞めるか決めるように、と。

90人はいずれも、パタゴニアでは「カスタマー・エクスペリエンス(CX)」チームとして知られるカスタマーサービス部門で働く従業員だ。電話や問い合わせに対応する仕事で、リモートで働くことができる。

最初の通知は火曜日の朝、テキストと電子メールで届いた。

「午前10時(アメリカ太平洋標準時)から重要なタウンホール・ミーティングを開催します」と電子メールには書かれていた。

「今日は休みという人もいるかと思いますが、時間を作って出席してもらえれば、8時間分のお給料をお支払いします」

30分後、同社幹部のエイミー・ヴェリガン(Amy Velligan)氏とブルース・オールド(Bruce Old)氏が主催した15分間のタウンホール・ミーティングで、スタッフはチームが新しい「ハブ」モデルに移行することを知らされた。

これに伴い、CX部門の従業員は7つの「ハブ」 ── ジョージア州アトランタ、ユタ州ソルトレイクシティ、ネバダ州リノ、テキサス州ダラス、テキサス州オースティン、イリノイ州シカゴ、ペンシルベニア州ピッツバーグ ── のうち、いずれか1つの60マイル(約97キロメートル)圏内に住まなければならなくなった。

スタッフには引っ越しの費用として4000ドル(約64万円)と、有給休暇の追加が提示されている。引っ越しは9月30日までに完了しなければならない。

州を越えて引っ越しをしたくない場合は、会社を辞めなければならない。会社に自分の決断を伝えるまでに与えられた時間は、72時間だった。

「ものすごく冷たいですよね。これら7つの都市圏に住んでいないのなら、そこに引っ越すか、荷物をまとめて出ていけ、と」とCX部門で働く、対象の従業員の1人はBusiness Insiderに語った。

「金曜日までに回答しなければ、彼らはわたしたちが退職パッケージを選択したとみなし、そのプロセスを開始するそうです」

タウンホール・ミーティングの後、人事部との1対1の面談が行われ、その日のうちに会社のノートパソコンや電話へのアクセスが遮断されたという。

Business Insiderの取材に対し、パタゴニアは通知の詳細を認め、アメリカ国内のCX部門のスタッフ255人のうち90人が対象だと述べた。

「完全にレイオフされた気分です」とあるCX部門のスタッフはBusiness Insiderに語った。

「遅刻は一度もないし、勤務評定も良い評価しか受けたことがありません」

その上で、退職パッケージは手厚かったけれど、自分たちが信じてきた会社が「ウォルマート・レベルに落ちる」のを見るのは悲しいと付け加えた。

Business Insiderの取材に応じた従業員はふたりとも退職パッケージを受け入れたと言い、転居を考えた同僚はいなかったと話している。

パタゴニアの広報担当は、複数の従業員が転居の意向を示しているとBusiness Insiderに語った。

その上で、CX部門の従業員の間ではつながりが断ち切られている感覚が共通の不満だったと言い、「これらの変化は活気あるチーム文化を構築するために極めて重要です」と説明した。