元国家公務員「老後生活が苦しい」人も。定年後の家計収支「平均支出月額は34万9000円」に

AI要約

公務員の夏季ボーナスや退職金のイメージと実態について紹介。

国家公務員の定年時の退職金の平均額や収支事情についてのデータ。

定年退職後も働きたい理由や生活にゆとりがない背景について。

元国家公務員「老後生活が苦しい」人も。定年後の家計収支「平均支出月額は34万9000円」に

公務員と聞くと「給与が安定している職業」とイメージする方も多いのではないでしょうか。2024年6月28日に支給された夏季ボーナスは国家公務員の一般行政職で平均65万9500円となっており、高い印象を持つ方も多いでしょう。

ボーナスだけでなく退職金も多く受け取れることから、「公務員であれば老後も安泰」と思ってしまいますが、実は人事院による最新の統計では国家公務員の83.3%が「定年退職後も働きたい」と回答しています。

その理由として、8割以上の人が「日々の生計維持のために必要」と回答しており、国家公務員であっても、生活に十分なゆとりがないことがうかがえます。

では、国家公務員として定年まで勤めた場合、退職金はどのくらい受け取れるのでしょうか。

本記事では、国家公務員の定年時の退職金の平均額と、定年後の収支事情について紹介していきます。

記事の後半では、国家公務員の退職後の生活苦についてもデータをもとに紹介しているので、あわせて参考にしてください。

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まずは、国家公務員の定年時の退職金から確認していきましょう。

内閣官房内閣人事局の「退職手当の支給状況」によると、定年時の国家公務員の退職金は下記のとおりです。

●常勤職員の退職金

 ・受給者数:1万4283人

 ・支給額:2112万2000円

●うち行政職俸給表(一)適用者の退職金

 ・受給者数:4086人

 ・平均支給額:2111万4000円

常勤職員、うち行政職俸給表(一)適用者ともに、定年時の退職金の平均額は2000万円以上となっています。

上記はあくまで平均額であり、勤続年数によって定年時の退職金は変動しますが、30年以上国家公務員として勤続していれば、定年時に2000万円以上の退職金を受け取れる可能性が高いとうかがえます。

●退職金があれば安泰? 

退職金として2000万円以上も受け取ることができれば、生活も安泰と思ってしまいますが、人事院事務総局の「令和5年 退職公務員生活状況調査報告書」によると、定年退職をした国家公務員の約8割が「定年退職後も働きたい」と考えています。

また、働きたいと思った理由として、8割以上が「日々の生計維持のために必要」と回答しており、最も高い割合を占めています。

定年時の退職金として、2000万円以上も受け取れる国家公務員ですが、なぜ生活にゆとりがないと感じているのでしょうか。

次章では、定年退職後の国家公務員の収支について見ていきましょう。