お中元にプチぜいたく、主婦「今は家族や自分用のご褒美として贈る」…充実「カジュアルギフト」

AI要約

神奈川県内の百貨店でお中元商戦が始まり、カジュアルギフトなど幅広い商品を展開している。

横浜の百貨店では涼感グルメや被災地支援ギフトなど、新しいニーズに対応した商品を積極的に販売している。

物流の問題にも取り組みつつ、お中元の配送を円滑にするための取り組みが行われている。

 神奈川県内の百貨店でお中元商戦が始まった。各店は自分へのご褒美用や身近な人に贈る「カジュアルギフト」を充実させ、新たなニーズの掘り起こしに力を入れる。猛暑を乗り切る涼感グルメ、能登半島の食材を使った被災地応援ギフトなど、多様な商品を用意している。(阿部華子)

 そごう横浜店(横浜市西区)では5日、お中元の特設会場が設けられ、開店後すぐに多くの客が訪れた。今年の一推しは32品目を取りそろえる「みんなの夏グルメ」。お中元の堅苦しいイメージを払拭(ふっしょく)するような見栄えの良さを意識したラインアップで、涼しさを感じられるジェラートや冷やしクリームパン、スパイスを使ったインドの郷土料理・ビリヤニなど意外性のある商品が並ぶ。手土産や自分への「プチぜいたく」需要を見込み、種類は昨年よりも約4割拡充した。

 同店によると、こうしたカジュアルギフトの売り上げは昨年、前年比2倍以上の伸びを見せた。全体の売り上げでみると3%程度だが、お中元の市場規模が縮小傾向にある中で「今後の広がりをチャンスととらえ、次の核として育てたい」(担当者)と意気込む。

 初日に訪れた横浜市保土ヶ谷区の主婦(80)は「昔は会社の上司のためにお中元を選んでいたが、今は娘家族や自分用のご褒美として贈るつもり」と品定めしていた。

 5月末にお中元商品の販売をスタートさせた横浜高島屋(横浜市西区)は「贈って応援、石川・能登」をテーマに、石川県のギフトの特集コーナーを設置。被災地支援の一環として、能登牛のローストビーフや能登大納言の小豆を使ったあんみつなどを用意した。石川県産食材を使った炊き込みご飯の試食販売を行った「浅田屋」の後藤由希さんは「少しでも復興の力になれたら」と話していた。

 ドライバーの残業規制の強化で物流の停滞が懸念される「2024年問題」に対応する動きもある。

 横浜高島屋の注文カウンター付近には「お中元も、夏ギフトも、6月のお届けにご協力を」と書かれた貼り紙が掲示された。お中元は例年7月1日をピークに配送が混み合うといい、今年は2024年問題を考慮し、昨年よりも貼り紙を増やしたという。

 同店の担当者は「6月中に贈るのが失礼にあたることはないので、できるだけ協力してほしい」と話していた。