お中元商戦、防災意識高まりおいしい缶詰や能登支援の美食セットも…百貨店各社

AI要約

百貨店各社のお中元商戦が始まり、災害時に備えた品ぞろえや被災地支援を意識した商品が登場している。

お中元市場規模の縮小や節約志向の中、各社は顧客の取り込みに工夫を凝らしている。

実用品を贈る動きや節約志向に合わせ、食用油やしょうゆの詰め合わせなどの実用的な商品も人気を集めている。

 百貨店各社のお中元商戦が始まった。1月の能登半島地震を受け、防災や被災地の復興支援を意識した商品が目立つ。お中元の市場規模が縮小し、物価高による節約志向も重なる中、各社は顧客の取り込みに知恵を絞っている。(岡田実優)

 東京都中央区の日本橋三越本店が5日開いたお中元の特設コーナーには、約800の商品が並んだ。災害時に備えた品ぞろえとして、国産素材にこだわっただし巻き卵や、筑前煮といった和そうざいの缶詰詰め合わせ(税込み3240円)などを用意した。三越伊勢丹の担当者は「頻発する災害で防災意識が高まっている。非常時でもおいしく食べられるものを用意した」と話す。

 高島屋は被災地支援につなげようと、石川県能登町の酒蔵の日本酒や七尾市の老舗旅館の美食セットなどを取りそろえた。

 生活スタイルの変化などに伴い、お中元商戦は市場規模の縮小が続いている。矢野経済研究所は、今年のお中元の市場規模が前年比1%減の6560億円と予想する。

 各社は近年、自分へのごほうびギフトとして高級なお菓子や飲料を中心に売り込み、商戦を盛り上げてきた。相次ぐ商品の値上げで消費者の財布のひもが固くなっていることから、今年は実用品を自分用に贈るといった動きも目立つ。

 松屋は、食用油やしょうゆの詰め合わせを用意した。一昔前のお中元の定番といった趣もあるが、「まとめ買いとなり、お買い得感もある。節約志向の消費者に受け入れられるのでは」(担当者)と期待を込めている。