米大統領補佐官、欧州3カ国のパレスチナ承認を「一方的」と批判

AI要約

欧州の3カ国がパレスチナを国家承認すると表明。米国は承認に反対し、2国家共存を直接交渉で実現すべきだと強調。

イスラエルは反発。米政権は2国家共存支持を繰り返し表明。イスラエルの孤立化についても言及。

イスラエルのハマス掃討に向けた戦略的アプローチと人道支援の重要性を強調。異なる方向への世論も指摘。

　スペインなど欧州の3カ国がパレスチナを国家承認すると表明したことについて、イスラエルの後ろ盾となってきた米国のサリバン大統領補佐官（国家安全保障問題担当）は22日、「（イスラエルとパレスチナの2国家共存は）一方的な承認ではなく、当事者による直接交渉でもたらされるべきだ」と述べた。3カ国による承認には賛同できないとのバイデン米政権の立場を強調した。

　スペイン、ノルウェー、アイルランドは22日、パレスチナを国家承認すると表明し、イスラエルは反発している。サリバン氏は記者会見で、「バイデン大統領は2国家共存を支持すると公言してきた」と説明。その上で、2国家共存が両者による交渉で決められる重要性について「世界のパートナーと意思疎通を図るつもりだ。今後の展開を見たい」と話した。

　また、パレスチナ自治区ガザ地区でイスラム組織ハマスとの戦闘を続けるイスラエルが国際的に孤立しているとの指摘については、「これまでイスラエルを支持していた声も含めて、異なる方向へ向かう声が増えているのは確かだ」と認めた。イスラエルが孤立しないためには、「ハマスを掃討するための戦略的なアプローチ、市民の保護、人道支援の拡大、地域統合の追求」が重要だとした。【ワシントン松井聡】