スリランカ大統領選、3候補が接戦か 物価上昇、経済再建は道半ば

AI要約

スリランカでコロナ禍後の経済危機が財政破綻を招き、大統領選挙が実施される。国民の不満が高まる中、財政や経済再建に焦点が当てられている。

経済不振による物価上昇や生活苦を訴える声が広がり、主要候補3人の接戦が予想される大統領選での結果が注目されている。

政府は外貨不足や停電問題などに直面し、IMF支援や付加価値税引き上げなどで財政健全化を図る中、国内外からの重要な支援や投資が必要とされている。

スリランカ大統領選、3候補が接戦か 物価上昇、経済再建は道半ば

 コロナ禍後の経済危機で財政破綻(はたん)し、政変が起きたスリランカで21日、大統領選挙が実施された。物価上昇で国民の不満が高まるなか、財政や経済の再建にどう取り組むか。中国とインドが主導権を競うなか、選挙結果に注目が集まっている。

 大統領選には38人が立候補し、3人の有力候補の接戦が予想される。結果は一両日中にも判明する見通しだ。

 最大都市コロンボの投票所で投票した自営業のナドラジャ・ヤルドレイさん(70)は、経済の回復を求めた。

 「物価の上昇がひどく、ガスは数年前の3倍近くに値上げされた。給与は変わらず、生活は苦しくなる一方だ」と嘆いた。

 スリランカ政府は他国や国際市場からお金を借り、空港や港などのインフラ整備を進めてきた。だが、コロナ禍で主要産業の観光業が低迷し、他国からの送金も減少。外貨不足で燃料や医療品を買えず、1日最大10時間近い停電も頻発した。

 抗議デモが拡大し、2022年7月に当時の政権が崩壊。後継のウィクラマシンハ大統領は、国際通貨基金(IMF)などに支援を要請し、付加価値税を引き上げるなどして、財政健全化を目指した。