緊縮路線争点、三つどもえ混戦 21日、スリランカ大統領選

AI要約

スリランカ大統領選挙が21日に行われる。緊縮路線の是非が争点となり、有権者は危機脱却への願いを示す。

世論調査では、左派野党・JVPのディサナヤカ党首が先行。しかし、大きな差は開いておらず、SJBと現職も追う展開。

投票者の意見は割れており、経済再建や国内の問題に対する期待が候補選びに影響している。

緊縮路線争点、三つどもえ混戦 21日、スリランカ大統領選

 【コロンボ時事】スリランカ大統領選(任期5年)は21日に投票が行われる。

 約2年前に破綻した経済の立て直しのため、現政権が進めてきた緊縮路線の是非が主な争点。現職と野党2候補の三つどもえの混戦模様で、有権者はそれぞれ危機脱却への願いを一票に託す。

 世論調査では、左派野党・人民解放戦線(JVP)のディサナヤカ党首が先行。野党・統一人民戦線(SJB)のプレマダサ党首、現職ウィクラマシンハ氏が追う展開だが、大きな差は開いていない。

 最大都市コロンボ在住で政府機関に勤めるK・W・トゥシャルさん(43)は、財政再建のため増税に踏み切ったウィクラマシンハ氏を批判。「経済知識が豊富で、解決策を持っている」と、ディサナヤカ氏に投票する考えを示した。

 2022年に当時の政権が崩壊するきっかけとなった学生主導のデモに参加した肉販売店勤務の男性(22)は「国内に仕事がなく、給料も安い。変化が必要だ」と強調。「国を発展に導ける」と、プレマダサ氏に期待を寄せている。

 宿泊施設を経営する男性(62)は、国がいまだ危機にある中、政策の継続が重要だとしてウィクラマシンハ氏に投票するつもりだ。「賄賂を受け取らない高潔な人物。(汚職がはびこる)スリランカにはもったいないくらいだ」と語った。

 中国から巨額の借金を重ねて経済危機の要因をつくったマヒンダ・ラジャパクサ元大統領の長男、ナマル・ラジャパクサ氏も出馬しているが、支持は広がっていない。マヒンダ氏の地盤だった南部ハンバントータのガミニ・スリ・アナンダ市長(62)は「ラジャパクサ(一族)の時代は終わった」と断じ、ウィクラマシンハ氏支持を表明した。