スリランカ大統領選投票 経済再建策の是非焦点、シーレーン要衝の安全保障の行方注視

AI要約

スリランカで行われた大統領選挙について、現職のウィクラマシンハ大統領と野党党首が激しい争いを繰り広げている。選挙結果は国内外の関係に影響を与える可能性がある。

ウィクラマシンハ氏の再選が日本やインドとの関係を維持し、IMFとの関係を継続させる可能性があるが、国民の反発も予想されている。

次期政権の外交姿勢が注目される中、スリランカは地政学的に重要な位置を占めており、日米、インド、中国などからの注目を集めている。

【コロンボ=岩田智雄】インド洋の島国、スリランカで21日、大統領選挙の投票が始まった。同国は経済危機下にあり、現職のウィクラマシンハ大統領(75)のほか、同氏の経済再建策を批判する野党党首らが立候補している。選挙結果はスリランカと、同国を支援する国際通貨基金(IMF)や債権国との関係に影響を与える可能性もある。即日開票後の日本時間22日にも結果が判明する見通し。

立候補しているのは40人弱で、事実上、独立系のウィクラマシンハ氏と左派連合・国民人民勢力(NPP)を率いる野党・人民解放戦線(JVP)のディサナヤカ党首(55)、野党、統一人民戦線(SJB)のプレマダサ党首(57)の3人による争いとみられている。

ウィクラマシンハ氏が当選すれば、日本やインドを重視し、対中国を含むバランス外交を継続して債務返済プランは維持されそうだ。ただ、IMFと約束した改革は国民の痛みを伴うもので反発もあり、世論調査では、選挙戦はIMFとの再交渉を掲げるディサナヤカ氏とプレマダサ氏が序盤でリードし、ウィクラマシンハ氏が猛追する展開だ。

スリランカはアジアと中東・アフリカの中間に位置するシーレーン(海上交通路)上の戦略的要衝。インド太平洋地域の安全保障を考える上で、次期政権の外交の行方が日米、インド、中国などから注目されている。