ボーイングの宇宙カプセル、無人で帰還…飛行士はどうする

AI要約

宇宙カプセル「スターライナー」が無人で地球に帰還し、宇宙飛行士2人は別の企業のカプセルで帰還することが決定した。

スターライナーの有人試験飛行は欠陥により失敗し、NASAとBoeingに大きな負担をかける結果となった。

Boeingは高額な追加費用をかけながらも宇宙カプセルの開発が遅れ続けている。

米ボーイングの宇宙カプセル「スターライナー」が宇宙飛行士を乗せずに地球に帰還した。機体の欠陥を確認した宇宙飛行士は国際宇宙ステーション(ISS)にとどまり来年2月に帰還する予定だ。

米航空宇宙局(NASA)の中継映像によるとスターライナーは6日午後6時4分(米国東部時間)にISSから分離し帰還に向けた飛行を始めた。約6時間後の7日午前0時1分ごろ米ニューメキシコ州の砂漠にあるホワイトサンズ宇宙港に着陸した。

スターライナーは2022年5月の無人試験飛行でISS到達後地球に無事帰還している。

スターライナーは6月5日に初めての有人試験飛行に向けNASA所属の宇宙飛行士2人を乗せて地球を離れた

当初2人は8日間の滞在予定だった。しかしスターライナーで予想できない推進機の誤作動やヘリウム漏れなどさまざまな機体の欠陥が発生した。

これにより2人の地球帰還は延期され続けた。NASAは結局スターライナーを無人で帰還させ、2人は2025年2月にイーロン・マスク氏がトップを務める宇宙企業スペースXの宇宙カプセル「ドラゴン」を利用して帰還させることにした。

これによりスターライナーは有人試験飛行「失敗」という成績表を受け取ることになった。

スターライナーは宇宙飛行士を乗せた初めての有人試験飛行に成功する場合、ドラゴンとともにNASAのISS輸送船として使われる予定だった。無人で地球に帰ってくることになりNASAとボーイングに大きな負担を与えることになった。

ボーイングはNASAと2014年に42億ドル規模の宇宙カプセル開発契約を締結したが、開発が遅れ続け約16億ドルの追加費用を投じたという。