タイタン潜水艇事故最後の通信「おもりを2つ落とした」の28分前は「全て良好」 元技術幹部が「強度に問題と何度も指摘」と証言

AI要約

2023年、5人が死亡した「タイタニック号」見学ツアーの潜水艇事故で、元技術幹部が問題点について警告していたことが明らかになった。

元技術幹部は潜水艇の強度の問題を指摘し、警告が無視されたことを証言。事故で死亡したCEOに対し、免責事項についての進言もあった。

海洋調査委員会の審理では、潜水艇と母船との通信内容が公開され、事故の経緯が明らかになっている。

タイタン潜水艇事故最後の通信「おもりを2つ落とした」の28分前は「全て良好」 元技術幹部が「強度に問題と何度も指摘」と証言

「タイタニック号」の見学ツアーで2023年、5人が死亡した潜水艇事故で、アメリカ沿岸警備隊の事故調査委員会による審理が始まり、運営会社の元技術幹部が問題点について警告していたと証言しました。

この事故は2023年6月18日、北大西洋の海底に沈む「タイタニック号」の見学ツアーで「オーシャン・ゲート」社が運営する潜水艇「タイタン」が潜水中に水圧で押しつぶされ、5人が死亡したものです。

事故の調査をしている沿岸警備隊の「海洋調査委員会(MBI)」の審理が16日に始まり、オーシャン・ゲートに解雇された元技術幹部、トニー・ニッセン氏が証言しました。

ニッセン氏は、潜水艇の強度の問題点を示すデータを会社の幹部に幾度となく指摘していたにも関わらず、警告が無視されたと証言しました。

また、事故で死亡したCEOのストックトン・ラッシュ氏に乗客が署名する免責事項の書面に「実験的」であることを明記すべきだと進言し、当初、反対されたことを明らかにしました。

審理では、母船「ポーラー・プリンス」号とタイタンとの間の通信内容も公開されました。

その中で、当日の午前10時19分にタイタンから「全て良好」と返答があったものの、28分後の午前10時47分に「おもりを2つ落とした」とのメッセージを最後に通信が途絶えたことが判明しました。

審理は27日まで行われ、MBIは事故原因や刑事責任の有無などについて報告書をまとめる予定です。