8月米雇用統計 就業者数は14万2000人増 市場予想下回る

AI要約

米労働省が発表した8月の雇用統計によると、非農業部門の就業者数は前月比14万2000人増となり、失業率は4・2%で市場予想と一致した。

前月の増加ペースを上回る就業者数増加があり、失業率はやや改善した。建設や運輸・倉庫での増加と小売りや製造業での減少が目立った。

FRBは雇用市場の悪化懸念から利下げを検討しており、市場では0・25%の利下げにとどまる可能性が高まっている。

8月米雇用統計 就業者数は14万2000人増 市場予想下回る

 米労働省が6日発表した8月の雇用統計(速報値、季節調整済み)によると、景気動向を敏感に映す非農業部門の就業者数は前月比14万2000人増となり、市場予想の16万人を下回った。一方、失業率は4・2%で市場予想と一致した。

 8月の就業者数の増加ペースは、今回の発表で下方修正された7月の8万9000人を上回った。建設や運輸・倉庫などで増える一方、小売りや製造業などで減った。一方、失業率は2021年10月(4・5%)以来の悪い水準だった7月の4・3%からやや改善した。

 米連邦準備制度理事会(FRB)は物価上昇(インフレ)が鈍化する一方で雇用市場の悪化懸念が強まり、9月17、18日の次回会合で利下げに転じることが確実視されている。市場では「FRBが従来の2倍の0・5%の利下げに踏み切る」との観測が出ていたが、失業率の改善などを受け「0・25%の利下げにとどめる」との見方が強まる可能性もある。

 ニューヨーク外国為替市場の円相場は、雇用統計発表直後に1ドル=142円台前半と約1円円高に振れたが、その後は143円に戻すなど乱高下した。【ワシントン大久保渉】