ハリス氏が米民主党候補受諾演説…「金委員長のような独裁者に擦り寄らない」(1)

AI要約

カマラ・ハリス副大統領が22日に民主党大統領候補指名受諾演説を行い、北朝鮮の金正恩国務委員長やトランプ前大統領との対応方針を明確に示した。

ハリス氏は国内外の安全保障、同盟国への姿勢、およびパレスチナ問題についても強い立場を示し、米国の将来を訴えた。

彼女は「国民のために」と呼びかけ、自身の政治信条と大統領としての使命を強調した。

ハリス氏が米民主党候補受諾演説…「金委員長のような独裁者に擦り寄らない」(1)

カマラ・ハリス副大統領が22日(現地時間)、民主党大統領候補指名受諾演説で「トランプを応援する金正恩(キム・ジョンウン)のような暴君(tyrant)や独裁者(dictator)には擦り寄らない」と宣言した。先月18日に共和党のドナルド・トランプ前大統領が大統領候補指名を受諾しながら「核兵器を多く持つ人(北朝鮮の金正恩国務委員長)とうまく付き合うのがよい」と述べたのとは完全に異なる接近法だ。

北朝鮮の軍事的脅威に常時露出している韓国の立場では11月5日の米国大統領選挙は事実上、対北朝鮮戦略原則の分岐点となる可能性が高まった。この日、シカゴのユナイテッドセンターで38分間行われた受諾演説で、ハリス氏は落ちついた語調で発言し、強調すべきいくつかの点では声を高める話法を使った。その一つが北朝鮮の金正恩国務委員長に関する発言だった。

ハリス氏はイスラエル戦争に関し「イランとイランの支援を受けるテロリストから米軍と米国の利益を守るために必要なあらゆる措置を取るのをためらわない」と述べた。その後、突然トーンを上げて「金正恩には決して同調しない」と強調した。

党員らの大きな歓呼の後、ハリス氏は「彼ら(北朝鮮)はトランプがお世辞と好意で操りやすいことを知っている」とし「トランプ自身が独裁者になることを望むため、彼らはトランプが独裁者に対して責任を問わないことを知っている」と話した。

自身の安保原則については「民主主義と独裁の間の絶えない闘争の中で米国がどこに立っているかを知っている」とし「大統領として米国の安保と理想を守護することに決してぶれない」と述べた。この日の演説で金正恩委員長はロシアのプーチン大統領を除いて実名で言及された唯一の独裁者だった。

トランプ氏が事実上「金銭的取引」で接近した同盟の概念に対しても、ハリス氏は異なる立場を表した。ハリス氏は「はっきりと言っておく」とし「大統領としてウクライナ、NATO(北大西洋条約機構)同盟国と共にしっかりと立つ」と語った。

トランプ氏が1カ月前の受諾演説で「米国はいわゆる同盟国と見なされる国々から長く利用されてきた」と主張したのとは完全に違った。ハリス氏は「トランプはプーチンに対して我々の同盟国に侵攻しろと煽り、ロシアが望むことは何でもすると発言した」とし「私は米国のグローバルリーダーシップを放棄せず強化する」と主張した。

パレスチナと中東が反発したことで今回の選挙の核心争点に浮上したガザ地区戦争関連の問題には、ややあいまいな立場を見せた。ハリス氏は「イスラエルの防御権を擁護し、自らを防御する能力を備えるようにする」とし、アラブ系が要求するイスラエル支援の中断を事実上拒否した。

ガザ地区にあるパレスチナについては「この10カ月間にガザ地区で起きたことは残酷」としながらも「人質が解放され、ガザ地区の苦痛が終わった後、パレスチナの尊厳と安全、自由、自決権が実現するよう努力する」と述べた。

親パレスチナデモ隊は民主党全国大会中に近隣でデモを行い、警察との衝突過程で約50人が逮捕された。デモ隊は全国大会でパレスチナ系代議員の発言権を要請したが、民主党は受け入れなかった。

政治および選挙に関連し、ハリス氏が繰り返し強調した言葉は「国民のために(For the People)」だった。ハリス氏は「政党、人種、性別、言語を区別せず、すべての米国人の代わりに民主党の大統領候補指名を受諾する」とし「すべての米国人のための大統領になることを約束する」と述べた。

そして「今回の選挙は私たちの生活だけでなく、米国の歴史上最も重要な選挙の一つ」とし「安全装置のないトランプが米国大統領という強大な権限を、国民の生活を改善したり国家安全保障を強化したりするのではなく、ただ一人の顧客である自身のためにどう使うかを想像してほしい」と呼びかけた。

その後、「しかし米国と私たちは過去に戻らない」とし「トランプが社会保障を削減し、健康保険改革法をなくそうとした時期に戻らず、公立学校を支援する教育省をなくそうとするのを放置しない」と話した。

ハリス氏は「検事時代に起訴をしたり判決を下したりする時は『カマラ・ハリス、国民のために(Kamala Harris, for the People)』という言葉を常に叫んだ」とし「私は私たちを統合して傾聴する大統領、現実的、実用的であり常識的な大統領、常に米国人のために戦う大統領になる」と語った。そして「これが私の人生の目標だった」と強調した。