ついに「習近平経済」に現れた「最悪のシグナル」…「民衆の怒りはすでに限界に達している」!中国の若者たちが「バングラ政変」を機に募らせている「不満と憎悪」

AI要約

バングラデシュの政変が中国に影響を与えている可能性が高い。国連人権高等弁務官事務所による報告によれば、政変で650人以上が死亡した。

中国の経済市況が深刻であり、最近のデータでは不動産市場の不況が長引いている。中国政府は問題を認識しておらず、外国人投資家の流出や銀行融資の減少などが見られる。

中国は「バランスシート不況」に陥りつつあり、投資リターンの低下や実質金利の高水準が問題となっている。

ついに「習近平経済」に現れた「最悪のシグナル」…「民衆の怒りはすでに限界に達している」!中国の若者たちが「バングラ政変」を機に募らせている「不満と憎悪」

パリ五輪の直前から拡大したバングラデシュの政変が、中国に不穏な影響を及ぼそうとしている。国連人権高等弁務官事務所は、この政変で約650人が死亡したとする報告書を出した。

前編『習近平政権に新たな火種…これは「バングラデシュ版“天安門事件”」だ…!「死者650人の大政変」に中国首脳が「肝を冷やす」深刻な事情』でお伝えしたとおり、バングラデシュの政変は、中国で「バングラデシュ版天安門事件」と呼ばれている。

近隣諸国の政変が、中国の若者たちに与える影響を筆者は警戒している。その原因は、言わずもがなだが、中国の深刻な経済市況にある。

7月の主要70都市の新築住宅価格は、平均で約3年前のピークから8%も下がっている。長引く不動産不況に対し、国際通貨基金(IMF)は「4年以内に国内総生産(GDP)の5.5%分(約143兆円)の財政出動が必要だ」と主張したが、中国政府は「既存の政策で十分に不動産市場を回復させることができる」と反論している。しかし、中国政府が5月に打ち出した住宅在庫の買い取り策はほとんど機能していない。

そして、ついに最悪のシグナルが現れた。

実体経済の不調は金融面にも悪影響を及ぼしている。

外国人投資家は第2四半期に中国から記録的な規模の資金を引き揚げている。中国の国際収支における対中直接投資は約150億ドル(約2兆2000億円)の流出超過となった。上半期ベースでも純流出(約50億ドル)となっており、1990年以降で初の年間ベースでの純流出となる可能性が高い。

気がかりなのは、中国の銀行融資が19年ぶりに減ったことだ。7月末時点の人民元建て銀行融資残高(金融機関向けを除く)が前月比で770億元(約1兆6000億円)減少した。個人や企業が債務返済を急いでいることの表れだ。

GDPデフレーターは5四半期連続でマイナスであることが背景にある。投資リターンが低下する一方、物価下落の影響を加味した実質金利が高水準にあることが災いしている。

この現象は「バランスシート不況」と呼ばれている。野村総合研究所のリチャード・クー氏が日本の「失われた30年」を説明するために使った考え方だ。筆者は「中国もいずれバランスシート不況に陥る」と考えていたが、早くもこれが現実になったというわけだ。