仏ワイン生産、今年は天候不順で平均未達か 価格への影響は不明

AI要約

フランスの農業省は、2024年の国内ワイン生産量が減少する見通しを発表しました。湿度の高い天候による病害や気象条件の影響で、生産地で問題が生じています。

ワインはフランスの主要輸出品であり、生産量の減少が価格や市場競争に与える影響が注目されています。農家の抗議活動の背景にもなっています。

一部地域でのひょうや霜などの被害が報告されており、生産量の減少にはさまざまな要因が影響しています。しかし、降雨による湿った土壌が損失を抑制する可能性もあると指摘されています。

仏ワイン生産、今年は天候不順で平均未達か 価格への影響は不明

[パリ 9日 ロイター] - フランス農業省は9日、2024年の国内ワイン生産量が4000万─4300万ヘクトリットルに減少するとの見通し(暫定推計)を発表した。5年平均の4420万ヘクトリットルに届かず、23年の4790万ヘクトリットルを大きく下回る。

世界最大のワイン生産国であるフランスは今年、非常に湿度の高い天候によってブドウ畑で病害が広がったほか、一部地域ではひょうや霜に見舞われた。

ワインは蒸留酒とともにフランス最大の輸出品の一つとなっている。国内消費の減少でボルドーなど一部の生産地が打撃を受けており、最近の農家による抗議活動の一因ともなっている。

生産量の減少がワインの価格全体に与える影響ははっきりしていない。大手は通常、希少なビンテージ(年代もの)の価格を上げる傾向にあるが、フランスは世界市場での激しい競争にさらされている。

フランス農業省によると、初夏の高湿により多くのワイン生産地でウドン粉病が発生したため、大きな損失をもたらす可能性がある。また、開花期の高湿や気温低下の影響で、多くのブドウ畑で花や葉、若い果実が落下した。

ただ、数カ月にわたる降雨で湿った土壌が生産量の減少を抑制する可能性があるとも言及した。