中国鋼鉄工業協会、7月下旬の粗鋼生産急減

AI要約

中国の粗鋼生産量が急減し、200万トン割れは昨年12月以来になる。

メーカー鋼材在庫は増加傾向にあり、在庫過剰感が高まっている。

中国の鋼材業界は国内外での販売が難しく、粗鋼生産を減らざるを得ない状況にある。

 中国鋼鉄工業協会(CISA)によると7月下旬の加盟企業による1日当たり粗鋼生産は197万3500トンだった。

 200万トン割れは昨年12月以来。前年同期比では7・6%減と減少率が拡大しており、鋼材市況の低迷や一部会員企業による減産で生産量が急減している。

 粗鋼生産は減っているものの、メーカー鋼材在庫は1605万トンで前月下旬から136万トン増加した。毎月下旬はメーカー在庫が大きく減る傾向にあるが、7月は中旬比で25万トン減にとどまっており、前年同期比でも10・6%増と在庫の過剰感が高まっている。

 中国では内需が振るわない上、7月26日にはベトナム政府が正式に中国とインドから輸入される熱延コイルに対しアンチダンピング(反不当廉売=AD)調査を開始するなど海外への輸出先も狭まっている。国内外での販売が困難で、粗鋼生産も減らさざるを得ない状況だ。