国連総会 ウクライナ南部ザポロジエ原発からのロシア撤退要求を決議 99カ国賛成

AI要約

国連総会がロシアに対し、ウクライナの原子力発電所から撤退を求める決議案を賛成多数で採択した。

ロシアは2022年にウクライナへ侵攻し、原発を占拠。原子炉は停止中で外部から電力が必要な状況。

決議はロシアに対し、攻撃停止や侵略撤退を要求するもので、ウクライナとロシアの主張が対立している。

【ニューヨーク=平田雄介】国連総会(193カ国)は11日、ロシアに対し、ウクライナ南部のザポロジエ原子力発電所から「軍と無許可要員を至急撤退」させ、ウクライナ当局の完全な管理下に戻すよう求める決議案を賛成多数で採択した。

日本や米国、ウクライナなど99カ国が賛成し、ロシアや北朝鮮、キューバなど9カ国が反対。中国やインド、南アフリカ、ブラジルなど60カ国が棄権した。

ロシアは2022年2月にウクライナへ全面侵攻した後、ザポロジエ原発を占拠している。原子炉は停止中だが、核物質を冷却し炉心融解を防ぐために外部からの電力が必要。ロシアの度重なる攻撃で送電が何度もストップし、危機的状況が続いている。

採択された決議は、ロシアに対して「ウクライナの重要エネルギー施設への攻撃の即時停止」も求めている。

採決に先立ち、ウクライナのキスリツァ国連大使は「核災害の恐怖を繰り返してはいけない」とロシアを非難した。

これに対し、ロシアのポリャンスキー国連次席大使は、「原発を攻撃しているのはウクライナの方だ」と主張。決議案の狙いは「ウクライナの核施設への脅威の原因について、西側の誤ったシナリオを広めることだ」との持論を展開した。

決議はまた、ロシアに対して「ウクライナ侵略の即時停止」と「全ての軍事力の無条件撤退」を求めている。