小児病院へのロシア軍のミサイル攻撃、国連安保理緊急会合で「戦争犯罪だ」と非難相次ぐ

AI要約

国連安全保障理事会は、ウクライナを侵略するロシア軍による首都キーウの小児病院へのミサイル攻撃を非難し、医療施設や民間人を攻撃する行為を戦争犯罪と指摘。

攻撃による被害や影響を報告し、ロシアのプーチン大統領に死と破壊に全力を注いでいると非難が相次いだ。

ロシアは攻撃を否定し、自作自演の主張を展開。国際社会の中で物議を醸している。

 【ニューヨーク=金子靖志】国連安全保障理事会は9日、ウクライナを侵略するロシア軍による首都キーウにある小児病院などへのミサイル攻撃を受けた緊急会合を開いた。会合では医療施設や民間人を攻撃するロシアへの非難が相次いだ。

 国連人道問題調整事務所(OCHA)のジョイス・ムスヤ事務次長補は会合の冒頭、「病院への攻撃は戦争犯罪だ」と非難した。8日の攻撃で小児病院の病棟などが大きな被害を受け「人工呼吸器の使用や緊急治療ができない状態」にあると説明した。2022年2月の侵略開始以降、医療施設や患者らに影響を及ぼす露軍による攻撃は1878件に上ったとも指摘した。

 米国のリンダ・トーマスグリーンフィールド国連大使は「プーチン(露大統領)は平和に関心がなく、死と破壊に全力を注いでいる」と述べた。ロシアとの協調姿勢が目立つ中国の代表者は「悪質な攻撃で深刻な死傷者が出た」と述べ、ロシアを暗に批判した。

 小児病院には露軍の巡航ミサイルKh101が直撃したとみられているが、ロシアのワシリー・ネベンジャ国連大使は、ミサイルはウクライナの「防空ミサイルだ」と一方的に主張した。北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に合わせて、ウクライナが自作自演したとの主張も展開した。