ロシア軍のウクライナ攻撃、死者45人に 国連安保理が緊急会合

AI要約

ロシア軍によるウクライナ各地への攻撃で死者45人、負傷者190人以上。国際社会から非難の声が高まる。

ウクライナの建物被害100近く、ゼレンスキー大統領は欧米に武器支援を求める。国連も攻撃を強く非難。

ロシアは軍事施設狙いを主張し、ウクライナを一方的に批判。NATO首脳会議でウクライナ情勢が議題に。

ロシア軍のウクライナ攻撃、死者45人に 国連安保理が緊急会合

 ロシア軍による8日のウクライナ各地への攻撃は9日も救助活動が続き、死者は子ども4人を含む45人、負傷者は190人以上に上った。国連安全保障理事会は9日、緊急会合を開催。国際社会の非難も高まっている。

 各地の当局によると、死者はキーウ31人▽中部クリビーリフ10人▽東部ドネツク州ポクロウスク3人▽中部ドニプロ1人。

 ゼレンスキー大統領は、医療機関や教育機関を含む100近くの建物が被害を受けたと指摘。「同情は武器にはならない。ロシアのミサイルを撃墜し、戦闘機を破壊しなければならない」とし、欧米に対し、防空システムの供与や、供与された兵器を使ってロシア領内を攻撃することへの認可を求めた。

 国連のグテーレス事務総長は8日、一連の攻撃を「強く非難する」との声明を発表。民間人や民間施設への直接攻撃は国際人道法で禁じられているとして、直ちにやめるよう求めた。

 一方、ロシア政府は軍事施設を狙ったと主張。9日から米ワシントンで始まる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議(サミット)を前に、ウクライナが騒ぎ立てていると一方的に訴えた。首脳会議ではウクライナ情勢も議題となり、支援が発表されるとみられる。(ニューヨーク=遠田寛生、ロンドン=藤原学思)