【解説】「悪夢のよう」ウクライナの小児病院にミサイル攻撃 西側の混乱のタイミング狙ったか 38人死亡・187人負傷 ロシア

AI要約

ロシア軍によるウクライナ・キーウなどの複数都市へのミサイル攻撃で、多くの負傷者が出る事態となっている。

キーウでは小児病院が被害を受け、子どもたちも巻き込まれ、国連もロシアを非難している。

ロシア軍によるウクライナの首都キーウなど複数の都市を狙ったミサイル攻撃で、死者はこれまでに38人にのぼっている。

ウクライナ当局によると8日、首都キーウや東部の州などの5つの都市がロシア軍の攻撃を受け、キーウでは中心部にある国内最大の小児病院が被害を受けた。

地元当局によると、この攻撃で、全土であわせて38人が死亡、187人が負傷した。

ゼレンスキー大統領は、「プーチンに攻撃命令の責任を追及しなければならい」と強調した。

【解説】「悪夢のよう」ウクライナの小児病院にミサイル攻撃 西側の混乱のタイミング狙ったか 38人死亡・187人負傷 ロシア

ロシア軍によるウクライナ・キーウなどの複数都市へのミサイル攻撃で、多くの負傷者が出る事態となっている。

キーウでは小児病院が被害を受け、子どもたちも巻き込まれ、国連もロシアを非難している。

ロシア軍によるウクライナの首都キーウなど複数の都市を狙ったミサイル攻撃で、死者はこれまでに38人にのぼっている。

ウクライナ当局によると8日、首都キーウや東部の州などの5つの都市がロシア軍の攻撃を受け、キーウでは中心部にある国内最大の小児病院が被害を受けた。

地元当局によると、この攻撃で、全土であわせて38人が死亡、187人が負傷した。

ゼレンスキー大統領は、「プーチンに攻撃命令の責任を追及しなければならない」と強調した。

この攻撃を受けて、国連安全保障理事会は日本時間の9日夜、緊急会合を開くことを決めたほか、グテーレス国連事務総長は、声明で「民間人への直接攻撃は国際人道法で禁じられていて、容認できない」とロシアを非難した。

ここからは、フジテレビ・立石修解説委員室長が解説する。

青井 実 キャスター:

ミサイル攻撃により38人が死亡しました。この数カ月のウクライナへの攻撃では、最も大きいものでした。

フジテレビ・立石修 解説委員室長​:

キーウへの大規模攻撃は、3月末以来で久しぶりでした。病院が粉々に壊されていて、市民たちが手作業でがれきを除去している姿も確認できます。夜になっても、現地では被害者の捜索が続いているようで、犠牲者が増える可能性があります。

ミサイルが小児病院を直撃する瞬間の映像を見ると、ビルが並ぶ市街地の中にある病院をピンポイントで狙いすまして攻撃していました。民間施設への直接攻撃は、国際法にも違反しています。

青井 キャスター:

現地メディアによると、攻撃を受けたのはウクライナで最も大きい小児病院ということで、攻撃を受けた病棟では、子ども20人が治療を受けていたともいわれています。

立石 解説委員室長:

現時点では、子どもが7人けがをしたと報じられています。映像に映る女の子は、左手にカテーテルと包帯をつけたままの状態で逃げてきました。

母親は泣きながら、「悪夢のようだった」と、ミサイル直撃の瞬間を語っていました。また、別のご両親は赤ちゃんを抱えていますが、母親の方は衝撃で手が震えていました。シェルターに逃げて、家族は無事だったと話していますが、精神的にショックを受けている様子でした。

青井 キャスター:

ーーなぜ今、ロシア側はこのような攻撃を行ったのでしょうか?

立石 解説委員室長:

10日からワシントンで、NATO(北大西洋条約機構)首脳会議が開かれるそのタイミングに合わせてということも考えられます。一方で、プーチン氏と対立する西側では今、内政が大きく動き、混乱しています。

アメリカのバイデン大統領は、先日の討論会がひどくて、「撤退論」が浮上しています。イギリスのスナク首相も選挙で敗北して「辞任」。そして、最近最もプーチン氏と激しく対立していたフランスのマクロン大統領は、この週末の下院選挙で惨敗し、議会運営の見通しが立たない状況です。

このように、欧米のリーダーたちが次々とピンチに立たされ、西側の結束も緩んでいます。そのため、プーチン氏は今が攻めるチャンスと考えています。

スペシャルキャスター 山口真由さん:

その病院自体が非常に高度医療になっていますし、直接亡くなった子どもたちもいらっしゃるでしょうし、医療に命の希望をつないでいった子どもたちということを考えると、非人道的な攻撃だなと思います。