反捕鯨団体創設者に日本が「復讐」 弁護人

AI要約

デンマーク司法省が日本政府からポール・ワトソン容疑者の身柄引き渡し要求があったことを発表。ワトソン容疑者の弁護人は日本の要求を「復讐」と批判。

ワトソン容疑者の妻はデンマーク国王に夫の釈放を嘆願し、日本の刑務所がワトソン容疑者の命を危険にさらす可能性を訴える。

ワトソン容疑者は2012年にデンマークで逮捕され、南極海での捕鯨船への妨害行為の疑いにより国際手配されていた。

反捕鯨団体創設者に日本が「復讐」 弁護人

【AFP=時事】日本政府から反捕鯨団体「シー・シェパード(Sea Shepherd Conservation Society)」の創設者、ポール・ワトソン(Paul Watson)容疑者(73)の身柄の引き渡し要求があったとデンマーク司法省が発表したのを受け、同容疑者の弁護人は日本による「復讐(ふくしゅう)」だと批判した。

 ワトソン容疑者の弁護人の一人、フランソワ・ジムレ(Francois Zimeray)氏はAFPに対し、日本の引き渡し要求には「驚いていない」が、「日本はポール・ワトソンに対して私的な復讐心を持っている。(容疑を掛けられている)いわゆる『犯罪』は、彼ら(日本)に逆らい、面目を失わせたことに対する復讐の口実だ」と述べた。

 さらに、日本は「公正な裁判と刑事施設に関する国際基準を尊重していない」ため、日本への身柄引き渡しは欧州人権条約に違反するとも主張した。

 ワトソン容疑者の妻ヤナ(Yana Watson)さんは1日、フェイスブックへの投稿で、デンマーク国王フレデリック10世(King Frederik X)とメアリー王妃(Queen Mary)に夫の釈放を嘆願した。

 ヤナさんは、幼い息子2人と一緒に写ったワトソン容疑者の画像を投稿。「デンマークよ、どうかポールを釈放してください!」「彼は1型糖尿病だ。日本の刑務所は彼の命取りになるだろう」と訴えた。

 ワトソン容疑者は、日本の要請を受けて国際刑事警察機構(インターポール、ICPO)が2012年に発行した「赤手配書」に基づき先月、デンマーク自治領グリーンランドで逮捕された。海上保安庁が、2010年に南極海で日本の捕鯨船に対する妨害行為を指示したとし、傷害と威力業務妨害の疑いで逮捕状を取得し、国際手配していた。【翻訳編集】 AFPBB News