IOC「女性として生まれ、生きてきた」…正当性を強調 女子ボクシング「男性の染色体を持つ」選手

AI要約

パリオリンピック・ボクシング女子の性別をめぐる問題で、IOCは出場の正当性を強調

林選手とハリフ選手の戦績や議論を振り返る

IOCの声明やハリフ選手のコメントを紹介

IOC「女性として生まれ、生きてきた」…正当性を強調 女子ボクシング「男性の染色体を持つ」選手

性別をめぐって出場の是非が議論となっているパリオリンピック・ボクシング女子の選手について、IOCは「女性として生まれ、女性として生きてきた」と出場の正当性を強調しました。

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日本時間2日午後10時半すぎに行われたボクシング女子57キロ級の試合。台湾の林選手がウズベキスタンのシトラ・トゥルディベコワ選手を相手に判定勝ちを収めました。

林選手は去年の世界選手権で1度は銅メダルを手にしましたが、「女子選手としての資格がない」とされ、メダルを剥奪された選手です。

勝利後、インタビューをすべく記者が待っていましたが…

記者

「どちらの選手もインタビューを拒否したということです」

主催者側も理由がわからないと話し、異例のことだということです。

もう1人、性別をめぐって議論になっているのが、1日に行われた女子66キロ級でイタリアの選手と対戦したアルジェリアのエイマヌン・ハリフ選手(25)です。

するどい攻撃を重ねるハリフ選手。開始から46秒、戦いは思わぬ形で決着しました。

記者

「どうしたんでしょうか、相手選手が試合を中断しました」

ハリフ選手の強烈なパンチを受けたイタリアのアンジェラ・カリーニ選手が鼻の痛みを訴え途中棄権。ハリフ選手が勝ち進みました。

ハリフ選手は女性選手として東京オリンピックにも出場。5位入賞を果たしましたが、去年の世界選手権では林選手と同様、失格になっていました。「男性の染色体を持つ」とされ、性別検査で不合格とされました。

しかし、その判断をしたIBA(=国際ボクシング協会)は去年、ガバナンスの問題でボクシング統括団体としての地位を剥奪され、パリオリンピックではIOC(=国際オリンピック委員会)が競技を統括することになっていました。

IOCの声明

「この2人のアスリートは、IBAによる突然の恣意(しい)的な決定の犠牲者でした」

IOCはハリフ選手と林選手の出場を認めた理由として、パスポート上では「女性」で、これまでも競技に参加してきたことをあげました。

エイマヌン・ハリフ選手

「アルジェリアのためにメダル獲得をしたいと思います。アルジェリア万歳」