「S&P500は非常に危険」ウォーレン・バフェットお気に入りの指標が警告(海外)

AI要約

ウォーレン・バフェットの「バフェット指標」が過去最高の水準に達し、アメリカ株が過大評価されている可能性があることを示唆している。

過去のデータから、この指標が200%に近づくときには注意が必要であり、過去の経験との類似性を指摘している。

投資家はこの指標に注目するべきだが、過去と現在の経済を比較する際には注意が必要である。

「S&P500は非常に危険」ウォーレン・バフェットお気に入りの指標が警告(海外)

「バフェット指標」はアメリカ株が過大評価されている可能性を示すものだ。

この指標はウォーレン・バフェットによって考案されたもので、GDPに対するアメリカ株の時価総額を測定するものだ。

「1999年と2000年の一部でそうだったように、この比率が200%に近づくなら、それは火遊びになる」とバフェットは2001年のフォーチュンの記事で述べている。

ウォーレン・バフェット(Warren Buffett)のお気に入りの株式市場評価指標が過去最高の高値に達し、株価が過大評価されている可能性があることを示唆している。

アメリカのGDPに対するアメリカ株の時価総額を示す「バフェット指標」は2024年7月15日、過去最高の200%を記録し、2021年11月に記録した197%を上回った。

ウィルシャー5000(Wilshire 5000 Total Market Index)で測定されたアメリカ株式市場の時価総額の約55兆ドル(約8667兆円)は、年間約27兆ドル(約4255兆円)のアメリカのGDPの約2倍の規模となる。

2021年11月にバフェット指標がピークに達した直後、株式市場は1年間にわたって手痛い弱気相場を経験している。

2001年のフォーチュン(Fortune)の記事でバフェットはこの指標を、「おそらく、ある瞬間における評価額を測る最良で唯一の指標だ」と述べている。

2000年のドットコム(インターネット)バブル時に、この指標が約190%という「前代未聞の水準」に達した時、「それは非常に強い警告信号だったはずだ」とバフェットは記事の中で述べている。

「このグラフのメッセージから、比率の関係が70%から80%の範囲まで下がった状態で株を買えば非常にうまくいく可能性が高いと私は思う。だが1999年と2000年の一時のように比率が200%に近づいた状態で買うのは火遊びだ」とバフェットは語った。

2024年まで話を進めると、投資家たちは火遊びをしているように見える。

Bライリー(B. Riley)のストラテジストであるポール・ディートリッチ(Paul Dietrich)は投資家が株式に慎重であるべき理由として、バフェット指標が前例のない数値を示したことを2024年7月18日のメモで指摘している。

センパー・オーガスタス(Semper Augustus)のファンドマネージャーであるクリス・ブルームストラン(Chris Bloomstran)は、バフェット指標は多少欠点のあるツールではあるが、投資家として注目する価値はあるとBusiness Insiderに語っている。

「私はこれには有用性があり、平均回帰系列である可能性が高く、妥当性もあると思う」とブルームストランは語っている。

しかし投資家たちは、過去の時代の経済と比較した現在の経済の変化を考慮するために、この指標に「上昇トレンドチャネル」を適用する必要があるという。

アメリカの経済は数十年前と比べて構造的に異なっている。企業の利益率は大幅に上昇し、テクノロジーを通じて企業の資産の保有を抑えて財務を軽くするアセットライト経営が進み、経済全体もよりグローバル化し、金利やインフレの水準も大きく異なっている。