習氏が中央アジア歴訪開始 対米連携強化へSCO首脳会議出席、プーチン氏と会談へ

AI要約

中国の習近平国家主席が中央アジアのカザフスタン、タジキスタンを訪問し、中露主導の上海協力機構首脳会議に出席する。ロシアのプーチン大統領との首脳会談も予定され、欧米各国への対抗策としてロシアやSCO加盟国との連携を強化する意向。

中国とカザフの戦略パートナーシップを強化し、SCO首脳会議の重要性を強調。SCOの加盟国拡大やプーチン氏との首脳会談、北朝鮮や露朝関係にも言及。

習氏の外遊日程は6日までで、次はタジキスタンでラフモン大統領と会談する予定。

習氏が中央アジア歴訪開始 対米連携強化へSCO首脳会議出席、プーチン氏と会談へ

【北京=三塚聖平】中国の習近平国家主席は2日、中央アジアのカザフスタン、タジキスタンへの歴訪を開始した。カザフでは3日開幕する中露主導の上海協力機構(SCO)首脳会議に出席するほか、ロシアのプーチン大統領とも首脳会談を行う見通し。対中圧力を強める欧米各国への対抗に向け、ロシアやSCO加盟国との連携を強化することを狙う。

習氏は2日、カザフの首都アスタナに到着し、空港でトカエフ大統領の出迎えを受けた。習氏は到着に際して発表した書面談話で、今回の訪問を通じて「中国とカザフの恒久的な全面的戦略パートナーの発展に向けて新たな青写真を描く」と強調した。

習氏は書面談話で、SCO首脳会議について「この重要な多国間メカニズムについて、新しく、より大きな発展を推し進めることを期待している」と表明。中国はSCOを欧米各国と対抗する上で欠かせない対抗軸の一つとして重視する。

SCOは加盟国拡大を進めており、昨年にイランが正式加盟したほか、ベラルーシが10カ国目のメンバーとして正式加盟する見込みとなっている。

カザフでは、同じくSCO首脳会議に出席するプーチン氏と5月に北京で開いて以来となる首脳会談を調整。ともに対立長期化が見込まれる対米を念頭に共闘姿勢を確認する見通し。プーチン氏が6月に北朝鮮を24年ぶりに訪問して金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記と会談したことについても意見交換するとみられる。中国は露朝それぞれとの関係を重視するが、ウクライナ侵略を契機に露朝が軍事協力を強化していることには一定の距離を置いている。

習氏の外遊は6日までの日程。カザフに続いて訪問するタジキスタンではラフモン大統領と会談する。