ロシアに軍事転用可能な物資提供した中国企業に制裁、岸田首相が表明へ…ウクライナ侵略巡り初めて

AI要約

岸田首相がG7首脳会議で、中国企業がロシアへ軍事転用可能な物資を提供していることに対し、制裁を科す方針を表明。初めて中国企業を制裁対象とする。

日本政府は中国企業への制裁を対露制裁の一環として位置づけ、米国の動きに連動。また、ウクライナ支援策として技術力を生かした復旧・復興策を打ち出す。

具体的には地雷除去対策などを議論する国際会議の主催や、発電機や防護態勢の強化などの支援を提供する方針を示す。

 岸田首相が13日に開幕する先進7か国(G7)首脳会議で、中国企業がウクライナ侵略を続けるロシアに対して軍事転用可能な物資を提供しているとして、新たに制裁を科す方針を表明することがわかった。ウクライナ侵略を巡り、日本政府が中国国内の企業を制裁対象とするのは初めてとなる。

 複数の政府関係者が明らかにした。同日行われるウクライナをテーマとしたセッションで表明する見通し。首相は「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」との認識を改めて示し、「対露制裁とウクライナ支援を強力に推進する」と強調する。

 中国企業への制裁は対露制裁の一環で、首相は「中国は軍民両用品の輸出で(ロシアによる)侵略を支え続けている」と両国の連携を批判する。5月にソウルで中国の李強(リーチャン)首相と会談した際、こうした懸念を直接伝えたことも報告する。

 首相はそのうえで、中国企業への制裁に加わる考えを表明する方向だ。米政府は12日、半導体や工作機械といった軍事転用が可能な物資をロシアに輸出し、制裁の回避を手助けしているとして、中国やベラルーシなどの個人・団体を制裁対象に追加したと発表した。日本政府の制裁方針は、米国の動きを念頭に置いたものとみられる。

 一方、新たなウクライナ支援策では、日本の技術力を生かした復旧・復興策の一環として、来年、日本で地雷除去対策などを議論する国際会議を主催する方針を明らかにする。

 ロシアがウクライナの発電所などを狙った攻撃を繰り返していることを踏まえ、発電機の追加供与や、発電所の防護態勢の強化を後押しすることも打ち出す。防弾チョッキやヘルメットの供与など、これまで実施してきた殺傷能力のない装備品の支援についても、継続する考えを示す方針だ。