ザポロジエ原発、現状での再稼働は危険=IAEA事務局長
国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は、ウクライナのザポロジエ原子力発電所の再稼働が戦闘が続く限り危険であると述べた。
ザポロジエ原発の原子炉6基は安全上の理由により停止中だが、ロシアは再稼働を模索しており、協議が必要であると説明した。
安全な再稼働には爆撃や補修が行われず、外部電源確保の安定性を高める措置が必要だとしている。
Francois Murphy
[ウィーン 3日 ロイター] - 国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は3日、ロシアが掌握しているウクライナのザポロジエ原子力発電所について、周辺で戦闘が継続している限り再稼働は危険と述べた。
欧州最大の原発であるザポロジエ原発は安全上の理由によるIAEAの勧告に基づき原子炉6基が停止しているが、プーチン大統領を含むロシア当局者らがグロッシ氏に再稼働を望む意向を伝え、先週同氏と協議した。
グロッシ氏はIAEA理事会の四半期会合初日に記者会見し、「ロシアはもちろんどこかの段階で稼働を模索したい意向だ。ロシアに廃炉の方針はなく、協議が必要」と説明した。
ロシアは先週の協議後、現時点で再稼働は計画していないと表明した。
グロッシ氏は安全な再稼働にはいくつかの重要な措置が必要と述べ、「爆撃やこの種の活動が行われず、配線など重要な補修をして外部電源確保の安定性を高める必要がある」と述べた。