西武・若林&日本ハム・斎藤友 大けがを乗り越えて感じた率直な思い 「当たり前」のありがたさ

AI要約
ヤクルトの選手が左膝の重傷を負い、苦しいリハビリを経て復帰したエピソード若林選手は靭帯損傷で20盗塁を記録したが、長期離脱を余儀なくされた斎藤選手も右膝靭帯損傷で苦しいリハビリを経て復帰
西武・若林&日本ハム・斎藤友 大けがを乗り越えて感じた率直な思い 「当たり前」のありがたさ

 ヤクルト・塩見泰隆外野手(30)が11日・巨人戦(神宮)で負傷し、左膝前十字靱帯(じんたい)損傷、半月板損傷と診断を受けて戦線を離脱した。プロ野球選手をはじめ、アスリートに襲いかかる大けがについて、乗り越えてきた選手に話を聞いた。

 西武・若林はルーキーイヤーの21年に、5月末の時点で20盗塁を記録するなど、鮮烈なデビューを飾った。だが、5月30日の阪神戦(メットライフ)の守備で左前十字靱帯損傷、半月板損傷の大けがを負った。

 若林は「足首だけが固定されて、膝だけ回るみたいな感覚。歩けると思ったけど、すぐに腫れて力が入らなくなって、その場で立てなくなった」と当時を振り返った。病院で診断された結果に「大ケガなんだなって感じ」。これが苦しい日々の始まりだった。

 炎症を抑えて、約1カ月後にボルトを入れて固定するなどの靱帯再建術を行った。術後もリハビリ病院を含めて1カ月ほど入院。足の裏、膝回りの感覚がなかったという。リハビリを乗り越え、22年に復帰したが「怖さも痛みもあった」と万全ではなかった。特に梅雨の時季に痛みが増し、飛行機での移動後も痛みが出た。

 転機となったのが昨年10月だ。ボルトを取り除く手術を行った。「抜いてからは膝を気にしないでできるようになった」と武器の足を使ったプレーを取り戻した。

 もう一人が日本ハム・斎藤友。昨年2月の沖縄キャンプで、紅白戦で投球時に右膝前十字靱帯を断裂した。「下(足)が(地面に)くっついて上だけ回る感じ。ねじれた感じでした」と若林同様の感覚だったという。ただ、斎藤は「力が入らないみたいだったけど、普通に歩けたし、その時は投げられるなという感じでした」と自らの足で移動することができた。

 沖縄の病院で診察では傷病名は不明だったが、東京で再受診して発覚。約2週間の入院中が痛みが最も強く「ずっとズキズキしている感じ。キツかったですね」と当時を振り返った。

 懸命なリハビリを乗り越え、1日・西武戦(ベルーナ)で移籍後初登板も果たした。「滑ったりしたらダメなんで、私生活でも気をつけながら」と再発にも注意しながら日々を送っている。

 それぞれ長い時間、苦しい思いをしてきた。若林は「(完治まで)年月かかるなと思ったし、普通にやれていたことができなくなる。もっと早く痛みなしで野球をやりたかった」と率直な思いを吐露。斎藤は「野球をやれている楽しさを感じる。当たり前じゃないので、すごくありがたいですね」と感慨深そうに話した。(デイリースポーツ・滋野航太)