【別府競輪(ナイター)GⅢ開設記念】阿部将大が完全優勝 地元勢の大会Vは23年ぶり

AI要約

別府競輪で九州地区初のナイターで争われた4日制グレードレースのGⅢ開設74周年記念「オランダ王国友好杯」は28日、最終12Rで決勝を行い、地元の阿部将大が完全優勝を遂げた。

阿部将大は地元記念Vを4連勝で獲得し、九州初の4日制GⅢナイターで輝いた。大分勢の別府記念制覇は2001年以来の快挙であった。

地元戦での優勝を祝福する声援に感謝し、阿部将大は今後も成長し続け、九州競輪界を引っ張っていく決意を示した。

【別府競輪(ナイター)GⅢ開設記念】阿部将大が完全優勝 地元勢の大会Vは23年ぶり

 別府競輪で九州地区初のナイターで争われた4日制グレードレースのGⅢ開設74周年記念「オランダ王国友好杯」は28日、最終12Rで決勝を行い、地元の阿部将大(28)=大分・117期・S1=が番手捲りで1着。完全優勝を遂げた。2着は阿部後位の松谷秀幸、3着は中釜章成マークから切り替えて追い込んだ古性優作。阿部のGⅢ優勝は6月の函館以来4回目。地元勢の大会Vは3日制だった2001年11月(前節・小野俊之、後節・渡邉隆)以来23年ぶり。大会の完全Vは2010年の60周年での鈴木謙太郎(福島)以来14年ぶり。4日間の総売上額は50億8214万8100円で、目標額の49億円を上回った。

■ヒーロー

 待ちに待った、地元のヒーローだ。〝豊後の若大将〟阿部将大が、4連勝で地元記念V。「ラインのおかげです。(伊藤)颯馬君が掛かっていたし、3番手を松谷さんが固めてくれた」とラインの勝利を強調した。大分勢の別府記念制覇は2001年の小野俊之、渡邉隆(3日制の前節、後節)以来。カクテル光線が輝く九州初の4日制GⅢナイターで、大分支部に輝かしい一ページが刻まれた。

 GⅢ制覇は4回目だが、「それ以来、誰もとっていない難しい大会」と、簡単でないことは分かっていた。それだけに、優勝だけを見据えた。「後ろから誰も来ていなかったけれど、出させてもらった。しっかり優勝できて良かった」と終3角手前からタテに踏んだ。「GⅢで初めての完全優勝。今後の競輪をしていく上でも励みになります」

 地元戦は今年10戦無敗。大分の若きエースの誕生を、スタンドのファンも大声援で歓迎した。「応援の声は全部聞こえました」と地元ファンにも感謝。「颯馬もですが、伊藤旭や松本秀之介ら若手全員で九州を引っ張っていく」。今年はGⅢを3V。結果を残した阿部に続けと、九州が熱く燃えて強くなっていく。(野口雅洋)

 ◆阿部将大(あべ・まさひろ)1996年6月14日生まれの28歳。大分県杵築市出身。鹿屋体大卒。日本競輪選手養成所に117期生として入所し、在校成績は5位、卒業記念レースは①①❽。2020年5月、大分支部でデビュー(小倉①⑤❸)。22年1月にS級へ昇級し、同年3月の高知GⅢ(施設整備等協賛)でS級初V。通算成績は335走129勝。GⅢVは24年6月函館(万博協賛ミリオンナイトカップ)以来、4回目。師匠は山崎翼(95期)。174.1センチ、74.2キロ、A型。

<決勝VTR>

 阿部がSで出て、伊藤―阿部―松谷の即席ライン、単騎の武藤、中釜―古性―浅井の中近ライン、松浦―岩津の中国で周回。

 松浦が青板で早めに上昇し、中釜と並走。赤板過ぎに内をしゃくって、4番手を確保して打鐘。中釜がカマシに行ったタイミングで、伊藤も踏み上げてもがき合いに。中釜は終HS4番手外までが精いっぱいで、古性は松浦後位の5番手に切り替える。

 阿部は終HS過ぎから徐々に車間を空けると、終3角手前で伊藤の番手から捲って抜け出す。松浦も捲りに行ったが、松谷のけん制で失速。古性は自力に転じて、松谷と松浦の間を割って脚を伸ばしたが、先に抜け出した阿部―松谷にわずかに及ばず。阿部が先頭でゴールし、松谷が2着に続いた。古性は3着。