ベンチ外も経験した神村学園のエースが完封!指揮官も「大人になった」と絶賛!【24年夏・鹿児島大会】

AI要約

エース今村 拓未が140球で完封勝利を収め、チームは神村学園が樟南を8-0で下し、全国高校野球選手権鹿児島大会の決勝で勝利した。

今村は緩急を駆使した投球で樟南打線を抑え、信頼に応える投球を披露。チームのスローガン「和顔愛語」を胸にピッチングし、最後の試練をも乗り越えた。

小田監督からの試練を経て成長した今村は3者連続三振で試合を締めくくり、指揮官から賛辞を受けた。

ベンチ外も経験した神村学園のエースが完封!指揮官も「大人になった」と絶賛!【24年夏・鹿児島大会】

<第106回全国高校野球選手権鹿児島大会:神村学園 8-0 樟南>◇27日◇決勝◇平和リース球場

最後の打者は、この日最速の144キロの直球で空振り三振。140球で完封勝利を挙げたエース今村 拓未(3年)のところにナインが集まり、歓喜の輪ができた。

「立ち上がりは緊張したけれども、先制点をとってくれたのでリラックスできた」。

130キロ後半の直球で厳しく内角を突いたかと思えば、100台のカーブでタイミングを外す。緩急を生かした投球で樟南打線に最後まで的を絞らせなかった。

昨年の甲子園経験メンバーであり、昨秋はエース番号を背負ったが、今春からは調子が上がらず、春の九州大会、NHK旗ではベンチから外れた。

小田 大介監督から突きつけられた試練だったが「最後の夏にエース番号にふさわしい投手になれ」とのメッセージを受け取り「信頼に応えたい」想いで挑んだ夏だった。

心掛けたのはチームのスローガン「和顔愛語(わがんあいご)」の精神。ピンチになればなるほど、表情を柔らかく、一人で背負いこまず、仲間を信じて自分の投球をする。

8回まではそれができていたが、9回に最後の試練が待っていた。連続四球と安打で無死満塁。勝ちを意識して「自分で抑えよう」と力みが最後の最後に顔を出した。

「大人になったチームが勝つ!」

ベンチから小田監督が何度も檄を飛ばし続けた。強張っていた表情が柔くなり、我に返った。自分の持っているゾーンに、自分らしいボールを投げるのみ。圧巻の3者連続三振で締めくくった。

この日、こんな投球をするためにベンチメンバーから外された約3カ月の試練があった。「大人になってくれました」。試練を乗り越えたエースに指揮官は最大の賛辞を送っていた。