【ソフトバンク】有原航平、今季初完封で最速10勝「投げさせてもらったからには勝ちたい」

AI要約

ソフトバンク有原航平投手が今季初完封で10勝目を挙げ、自身初の両リーグ最速で2ケタ勝利に到達した。

オリックス打線を2安打に封じ、得点圏に走者を置かれたのは1度のみ。105球の圧巻のシャットアウト劇を演じた。

有原は移籍後初めて本拠地での完投を果たし、ピンチの場面では冷静に落ち着いたピッチングを見せ、チームを勝利に導いた。

【ソフトバンク】有原航平、今季初完封で最速10勝「投げさせてもらったからには勝ちたい」

<ソフトバンク3-0オリックス>◇27日◇みずほペイペイドーム

 ソフトバンク有原航平投手(31)が今季初完封で10勝目を挙げ、自身初めて両リーグ最速で2ケタ勝利に到達した。

 オリックス打線を2安打に封じ、得点圏に走者を置いたのは1度だけ。105球、圧巻のシャットアウト劇だった。打線も序盤に援護。2回に女房役の甲斐拓也捕手(31)の2点適時二塁打などで3点を奪った。チームは後半戦連勝で球宴を挟み3連勝。28日にも優勝マジック43が点灯する。

 ニヒルな男らしかった。105球目。有原は代打セデーニョを遊ゴロに仕留めると、グラブで口元を覆って笑顔を隠した。

 「うれしかったですね。ここで9回投げられたのは初めてだったので。すごくうれしかった」。思わず笑みがこぼれた。移籍後初めて本拠地・みずほペイペイドームで完封劇を演じた。誰よりも背番号17が達成感を味わった瞬間だった。

 有言実行。志願した後半戦の初マウンドだった。日本ハム時代以来、5年ぶりに球宴に出場。24日の第2戦(神宮)で先発登板。1イニングを5球で片付けた。中2日でのマウンドだったが「今週末には投げさせてもらいたいと思っていた。投げさせてもらったからには勝ちたいと思っていたので。今日の結果はうれしい」と勝利をかみしめた。

 150キロ超の直球に加え、変化球がさえた。初回。いきなり先頭中川をストレートの四球で歩かせたが、大里を見逃し三振。続く3番紅林は内角へのツーシームで遊ゴロ併殺打に仕留めた。8回にも先頭杉本に左前打を許したが、1死後、8番宗をツーシームで三ゴロ併殺打。「走者が一塁にいたら、なるべくゴロを打たせるようにと考えているので。イメージ通りにいけたのかなと思います。今日はツーシームとか変化球のコントロールがよかったと思う」。ピンチの芽を摘んだ2つの併殺打を、納得顔で振り返った。

 昨年7月25日のオリックス戦(京セラドーム大阪)以来の完封勝利。悪夢の12連敗を止めた圧巻投球だったが、この日はチームを再加速させる完封勝利となった。28日にも優勝マジックが点灯する。星勘定には無頓着な小久保監督も、有原の投球には称賛の言葉が続けた。「球宴から中2日で。エースらしい素晴らしいピッチングでした。言うことはありません」。何とも頼もしいエースの快投で、チームはVロードを快走する。【佐竹英治】

 ▼有原が今季初完封で自身初の両リーグ10勝一番乗り。ソフトバンク投手の両リーグ10勝一番乗りは51年江藤、55年宅和、73年山内、05年杉内、06年斉藤に次いで6人目。両リーグは初めての有原だが、パ・リーグ10勝一番乗りは日本ハム時代の16、19年に次いで3度目。パ・リーグ10勝一番乗りを3度以上は山田(阪急)5度、鈴木啓(近鉄)4度、涌井(西武、楽天)3度に次いで4人目。