「壮大な光景の舞台だった」多彩な演出で話題沸騰の開会式に仏国内で賛否両論 「一貫性を欠いた」とシビアな意見も【パリ五輪】

AI要約

パリ五輪の開会式は史上初の競技場外でのセレモニーで、豪華な演出や著名ゲストの登場が話題となった。

フランス国内では賛否両論で、ある評価は演出の多様性を称賛し、別の評価は一貫性の欠如を指摘している。

雨天の中でも順調に行われた開会式は、新しい時代のメッセージや多様性を象徴する演出が多く見られた。

「壮大な光景の舞台だった」多彩な演出で話題沸騰の開会式に仏国内で賛否両論 「一貫性を欠いた」とシビアな意見も【パリ五輪】

 史上初の取り組みが実施された一大セレモニーは賛否両論を呼んでいる。

 現地時間7月26日、パリ五輪の開会式が開催。終始お祭りムードの中、夏季五輪としては史上初めて競技場外で実施されたセレモニーは、さまざまな“演出”が話題になった。

 元サッカーフランス代表のジネディーヌ・ジダンや、世界的なアーティストであるレディ・ガガやセリーヌ・ディオンなど著名ゲストが次々と登場。観客を飽きさせないよう矢継ぎ早に演出が展開され、パリ100周年の記念大会を彩る豪華絢爛さはあった。

 ただ、フランス国内ではシビアな評価も下されている。日刊紙『Le Figaro』は「祝賀的で寛大な式典だが、壮大さはなかった」とキッパリ。多様性も考慮され、サプライズもあった目まぐるしい展開に「寛大、お祭り気分、驚きに満ちた――これらの形容詞がふさわしいものではあった。しかし、あらゆるジャンルが入り混じった式典には一貫性の欠如を感じさせた」と断じている。

 もっとも、あいにく雨天の中でも大きなアクシデントもなく遂行された事実を評価する声もある。フランス全土にネットワークを持つ日刊紙『Lequipe』は「ほぼ4時間にわたり、パリは壮大な光景の舞台だった。雨がさまざまな魔法をわずかに汚したとしても、いくつかの瞬間は間違いなく心に刻まれ続ける」と絶賛した。

「両手で自分の生首を抱えるマリー・アントワネットの登場から始まった演出でフランス革命を表現し、そこから多様性をイメージさせる絵画に繋げたことで、この手のイベントとしては新しい時代のメッセージを発信したと言っていい」

 実際、多様性をイメージさせる演出は鮮やかさもあった。LGBTQのダンサーたちが登場した場面では、レッドカーペットを歩く2人の男性がキスをする場面も見られ、パリが自由で、開放的であることを印象付けるものではあった。

 厳しい意見も集まったとはいえ、近年の五輪開会式にはないインパクトは十分にあった。このスタートをキッカケに、大いに盛り上がる2週間となってほしいところだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]