信太が4回戦敗退 難病から計6度の手術を乗り越えた高川倭「最後の夏、楽しかったです」/大阪

AI要約

信太高校野球部の選手、高川倭内野手が最後の夏を象徴する試合を終え、感謝と満足の表情を見せる

高川は中学時代に重い病気を患い、2度の手術を経て野球を続ける奇跡を成し遂げた

野球を引退して柔道整復師を目指す高川は、家族や仲間への感謝を胸に新たな道を歩み始める

<ラストカレンダー~夏の終わり~ 信太(大阪)高川倭内野手(3年)>

 <高校野球大阪大会:早稲田摂陵14-4信太>◇21日◇4回戦◇くら寿司スタジアム堺

 信太の背番号3、高川は最後まで諦めなかった。前日20日の鳳戦では1点を追う9回に代打で出場し、右前打を放ってサヨナラ勝ちに大きく貢献。この日は10点を追う5回、ベンチ裏で素振りを行い、代打への準備に徹していたが、最後まで出番はなかった。涙を流すチームメートに寄り添って「ありがとう」と感謝の思いを伝え続けた。「最後の夏、楽しかったです。ものメンバーに巡り会えてよかったです」。表情は晴れやかだった。

 母親の夢をかなえた。高川は中学3年時に「脳動静脈奇形(AVM)」を患った。高校1年春から2年夏にかけて、2度の開頭手術を含む計6度の手術を経て、今年3月ごろから本格的に練習に復帰した。母奈緒さんは「また野球ができることになれたのが、本当にもう奇跡かなって」。高石(大阪)の野球部のマネジャーだったこともあり「高校球児の母になるのがちょっと夢やったので。かなえてくれたからうれしいです。私はこの子を誇りに思います。本当にお疲れさまといいたい」とねぎらった。

 今後は野球は続けず、自身の経験を踏まえて「柔道整復師を目指して頑張ります」と明かした。大好きな野球を続けさせてもらった家族、病院の先生、仲間らへの感謝の思いを胸に、新たな道へと歩み出す。【古財稜明】