がん闘病の母に元気届けた佐賀西・西山凛太郎 5回コールド負けも全力で白球追った/佐賀

AI要約

西山凛太郎内野手は、母のために全力でプレーし、有田工に敗れた

西山は秀才で九大薬学部進学を希望し、勉強と野球を両立してきた

将来は製薬会社で働きながら、病気で苦しむ人を助ける道を歩む決意を固めた

がん闘病の母に元気届けた佐賀西・西山凛太郎 5回コールド負けも全力で白球追った/佐賀

〈ラストカレンダー~夏の終わり~ 佐賀西・西山凛太郎内野手(3年)〉

 〈高校野球佐賀大会:有田工13-1(5回コールド)佐賀西〉◇18日◇3回戦◇佐賀県立

 「母に元気を与えたいと思っていました」。がん闘病で応援に来られない母佳子(けいこ)さん(55)のために歯をくいしばった。朝、家を出る時、母から「見に行けないけど、いつも通りに頑張って」と声をかけられた。試合は2年ぶりの甲子園を目指す有田工に5回コールド負け。自身も3打数ノーヒットに終わった。それでも「この大会で活躍したい想いは人一倍でした」と全力で白球を追った。

 今春に東大3人、京大3人、九大39人など約200人の国公立大合格者を出した県内屈指の公立進学校にあって、西山も九大薬学部進学を希望する。3年生280人の中、得意な数学は10位になったこともある秀才だ。小2から始めた野球と勉強を立派に両立させてきた。今後は「切り替えて、勉強をしたい。土日は10時間するつもりです」と話し、今度は大学受験で一発“勝利”を目指す。

 将来は父と同じ製薬会社への就職を希望している。「人の助けになれれば」との理由からだ。野球生活は高校で終わる可能性もあるという。3年間の貴重な経験も生かして、母のように病気で苦しむ人を救う道を歩む。【菊川光一】