やっぱり原発は「稼働してはいけない」…メディア報じる《日本は安全》のウソ「原発は震度7には耐えられない」【専門家が警告】

AI要約

フランスと日本の原発設置場所についての比較

日本における原発再稼働の現状

日本の原発問題における技術的課題について

やっぱり原発は「稼働してはいけない」…メディア報じる《日本は安全》のウソ「原発は震度7には耐えられない」【専門家が警告】

地震の比較的少ないフランスでは川の上流に原発が建てられているが、日本では大都市から遠く離れた海岸線に建てられている。それは、日本では「原発は危険なもの」と考えられているからだ。

2011年3月11日に発生した福島第一原子力発電所事故の大きな原因は「津波」であると言われてきたが、正確には別の原因による事故だ。地震多発国の日本は、大地震から逃れることはできない。とはいうものの、安定した電力供給には原発の稼働は不可欠とも言える。

だからこそ日本は「震度6以上の地震に耐えうる原発」をつくり、比較的安定している内陸部の湖や川の周辺に原発を設置すればいい。日本の技術力をもってすればそれは可能だ、と工学博士・武田邦彦は語る。

SDGsの時代に、避けて通れない問題が「原子力発電」をどう扱うかです。

化石燃料は枯渇しないとはいえ、エネルギー費用の高騰や資源量の低減と獲得競争などもあり、現在はエネルギー問題の過渡期と言えるでしょう。「エネルギー安全保障」の問題が各国で浮上するなか、ふたたび原発に注目が集まっています。

東日本大震災(2011年3月)の発生前、日本には54基の原発があり、日本で使う電力の30%前後を原子力で賄っていました。

事故から12年以上が経過した現在、廃炉を除く原発33基のうち再稼働したのは12基のみ。今年(2024年)には東北電力女川原発2号機と中国電力島根原発2号機の2基が再稼働する見込みです。

このような状況下で、今年(2024年)の1月1日に石川県能登半島沖を震源とする最大震度7を記録した大地震が発生しました。元日で帰省している方も多く、大きな被害をもたらしたこの大地震は「令和6年能登半島地震」と命名されました。

日本では原発推進派と反対派の対立が続いており、これを読んでいる皆さんも各々のご意見があるかと思います。

ここからは、ウラン濃縮等の研究開発に携わり、原子力委員会にも所属していた私の実体験も含めた日本の原発に関する問題点を検証していきます。

正直に言って、私は日本に安全な原子力発電所ができるのがいちばんいいと思っています。その意味で、私は「原発推進派」です。しかし、現在の原発は不完全であるので、改良が必要だと考えています。この点から、私を「原発反対派」だとする人もいます。

まず、原発の不完全さについてお話ししましょう。

現在の原発は設計的に、震度6以上の地震が起こったら壊れる可能性があります。私は技術者として、日本人として、震度7でも耐えうる原発をつくる必要があると思うのです。

しかし、今回の能登半島地震のように、日本には震度6以上の地震がきます。大地震に対する安全性が確保できない状態で、原発を稼働してはいけないというのが私の立場です。

震度7でも耐えうる原発をつくる、もしくは、壊れる可能性を考慮に入れ、そのことを地域の住民に納得してもらい、厳重な検査をしたり、事故が起こった際の緊急プランを作成したりするなど、あらゆる事態を想定して安全に重きを置いたうえで稼働するのであればいいでしょう。

しかし、日本での原発の運用は安全に最大限配慮しているわけではありません。

…つづく<「日本の原発は安全」のウソ…メディアが報じない原発再稼働《知ってはいけない》ウラ事情>で、東日本大震災による原発事故の正確な原因を明かせない理由を明かします。